大谷翔平、歴史的快挙が目前に。“過去34年でわずか1例”の「レアな記録」の可能性も
ライバルの不振で本塁打王は決定的な状況に
そんな大谷が今季47号を放った直後、ある人物が大谷の“位置取り”を冷静にポストしていた。 それがアストロズの右腕ジャスティン・バーランダーの実弟であり、大の“大谷マニア”として知られるベン・バーランダー氏だ。米専門局FOXスポーツのアナリストという肩書も持つバーランダー氏は、Xの自己紹介文に日本語で「大谷翔平大好き」と記載するほどの大谷好き。 そんなバーランダー氏がポストしたのは、「これで大谷はナ・リーグで2位に10本差をつけている。そしてメジャートップのアーロン・ジャッジとは4本差だ」というもの。なかなか一発が出ないライバル打者たちを尻目に、大谷が着実とその数を伸ばしていることに触れた形だ。 実際に、ナ・リーグの本塁打数2位のマルセル・オズナ(ブレーブス)は8月20日に今季37号を放ったのを最後に21試合ノーアーチ。一方、ア・リーグ本塁打王争いを独走中のジャッジ(ヤンキース)も、自己ワーストに並ぶ15試合連続本塁打なしと、思わぬスランプに喘いでいる。 大谷とジャッジには一時期大きな差があったが、気が付けばその差もわずか4本。ドジャースとヤンキースはともにレギュラーシーズン16試合を残しており、大谷がジャッジを抜き去る未来も見えてきたといえるだろう。
過去34年で1例しかない“レア記録”の可能性も
また、もし大谷がこのまま10本以上の差をつけてナ・リーグ本塁打王に輝けば、かなりレアな出来事になる。 ア・リーグでは2022年にリーグ新記録の62本を放ったジャッジが、2位マイク・トラウト(エンゼルス)に22本差をつけてタイトルを獲得している。これ以外にも10本以上の差をつけて本塁打王に輝いた選手は、2000年以降に2人、1990年代には3人もいた。 ところがナ・リーグでは、1990年以降の過去34年間でわずか1人だけ。それが、2017年に59本塁打を放ったジャンカルロ・スタントン(当時マーリンズ)で、2位コディ・ベリンジャー(当時ドジャース)に20本差をつけてのタイトル獲得だった。 大谷にとって「50-50」はもはや通過点で、1990年以降、たった1例だけのレアな記録もあっさりと達成してしまうかもしれない。 文/八木遊(やぎ・ゆう) 【八木遊】 1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。
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