新しい美食の潮流、デスティネーションレストランの未来を担う若き実力派シェフの世界観に迫る
片山:田中さんが店に来た時、上州キュイジーヌという群馬の食にフォーカスしたシェフがいることを喜んでくださったんです。その縁があって、田中さんが主催する「群馬イノベーションスクール」という起業家や地域活動家を発掘・育成するビジネススクールに、2017年、4期生として参加させていただきました。料理は好きだけど経営者としての学びや知見が本当に乏しかったので、ビジネスって何かという基礎を田中さんのスクールで1年間、勉強しました。そこから田中さんと関わる機会も増えていく中で、前橋「白井屋ホテル」の話も耳に入るようになってきたんです。当時はまだ設計図程度でしたが、何かすごいものができるという予感がしていました。目標の一つだったオーナーシェフになることはできたけど、まだまだ上州キュイジーヌも理解してもらうのが難しい時代。シェフとして何が足らなかったんだろう、他に何かチャンスがあるんじゃないかと悩んでいる時に、田中さんから声をかけてもらいました。これはもうセレンディピティが訪れたと思って、店を閉めて「白井屋」でやっていく決断をして、今に至ります。 本田:それはなかなかの決断だね。 片山:大きな決断だったと思います。当時は、料理もリーダーシップも全然できていなくて、皆さんが、僕を耐え忍んで育ててくれたという感じです。今もまだまだ足りませんが、少しでも恩返しをしたい。「白井屋」でシェフとしてどんどん活躍して、個人としてのクリエーションも、「白井屋」としての存在も、群馬の歴史の1ページになるようにしたい。そういう思いは、決断した時から、ずっと変わらないですね。
本田:これからも楽しみだね。いい話が聞けました。群馬を盛り上げたいと思っているので、次、群馬ツアーを秋ぐらいにやろうと思っています。 片山:その時はぜひ「白井屋」も経由に入れていただいて。
本田:ぜひぜひ訪れたいです。引き続き頑張ってください。 片山:ありがとうございます。
the RESTAURANT
住所: 群馬県前橋市本町2-2-15 SHIROIYA HOTEL 1F TEL: 027-231-4618
取材:本田直之、食べログマガジン 文:小田中雅子