KYOJO CUP 2024 第2戦|2度もセーフティーカーが入ったKYOJO史上最悪のレース|2024年7月20日(土)リポート
「予選から2~3戦までタイヤ交換ができないので、いかに消耗させずにレースを展開させるかに注力していました」
「予選から2~3戦までタイヤ交換ができないので、いかに消耗させずにレースを展開させるかに注力していました。無理にコーナーで抜くことはしないように心がけていました」と斎藤。今回のレースでもっともキレイかつうまい抜き方でトップに立つとそのままキープして、レースが終了。このままセーフティカーが入らなかったとしても、勝利は見えていたと言えるだろう。見事な優勝だ。 「エンジン交換したので不安だったのですが、ペナルティもなくポールのままでスタートできたのでよかったです。3ワイドになるシーンがあったのですが、トップ3台はレベルが高いので接触もなくキレイにレースができました。ただ、愛未ちゃん(斎藤)は早すぎますよね! スリップ入られてホームストレートで並んだと思ったら一気に抜かれていくので、気分が削がれます(笑)」と下野。ただ、そんな異次元のストレートスピードの斎藤と渡り合う下野の凄さも皆に伝わったのではないだろうか。 【画像30枚】参戦ドライバーなどすべての画像を見る トップ3台を形成する翁長は「最後の2周でスパートするため内圧を合わせているので後半勝負ではあるのですが、あまり引き離されてしまうと追いつけないので、戦略が難しかったです。途中、愛未ちゃん(斎藤)、璃央ちゃん(下野)と3ワイドになった際に、アウトを選択してしまったのが敗因ですね。この位置取りの影響で平川さんに追いつかれ、そこでのバトルになってしまったので、前2台に置いていかれる結果となってしまいました」と反省しきり。しかし、コーナーの魔術師としての腕は健在なので、彼女も斎藤の独走を阻止できる存在であることは間違いない。
「2025年に向けてKYOJOの人気が絶対的になる」
2025年に向けてKYOJOの人気が絶対的になる 女性のみのレースということで長くその存在はレース界に中心に据えられることはなかったが、今回、多くの人がKYOJOドライバーたちのレースを見たことで印象が変わったことだろう。特に長年レースを見てきた人たちにとって、トップを走る斎藤愛未、翁長実希、下野璃央の3名のスタートからゴールまで延々と続くデッドヒートは、他カテゴリのレースではなかなか見られなくなったものだ。それが毎戦のように続く状況はさらにレアと言えるものだ。KYOJOのレースとしての面白さはもっと知れ渡るべきだろう。 【画像30枚】参戦ドライバーなどすべての画像を見る また、一般の人たちにとっても、女性だけで戦うレースはかなり興味深いものだろう。男性の中で活躍する女性ドライバーという構図は、現在の世の中にとってあまり受け入れられるものではなく、逆に性別も含めた同じ条件でのフェアな戦いが求められる時代になったのではないかと考えられる。 そしてカーレースはスポーツである。つまりドライバーはアスリートであるのだ。クルマの性能を競うだけであればドライバーは必要ない。自動運転で車両だけ走らせていれば済む話だ。レースはドライバーの技量、戦略、心の動き、このすべてが絡み合うことでKYOJO CUPのトップ3人のように抜きつ抜かれつの激しい攻防が生まれるのである。 そして、世の中のスポーツ競技において、男女均等は求められていない。女子プロゴルフの選手が男子ゴルフの大会で活躍する姿を誰も望んでいないのである。 KYOJOは今後、日本の男性が作ってきたレースの歴史以上のものを作り出す可能性を秘めていると言える。 >>初優勝となった斎藤愛未 関連記事:KYOJO CUP2024 関連記事:KYOJO
Nosweb 編集部