【武蔵野S】エンペラーワケア重賞2勝目!初のダートマイル克服
東京競馬場で9日、「第29回武蔵野S」が行われ、川田将雅(39)騎乗の1番人気エンペラーワケアが狭いスペースを抜け出しV。初のダートマイル戦をこなして、今年の根岸Sに続く重賞2勝目を飾った。 価値ある1勝だった。エンペラーワケアは好スタートから好位の内をリズム良く追走。手応え抜群で迎えた直線、なかなか前が空かない。残り300メートル。馬群の間にようやく進路を見いだすと、力強く伸びて瞬く間に先頭へ立つ。最後は後続を悠々と突き放した。 不利、そして初のダートマイルを克服。川田は「返し馬の段階から、もっとさかのぼればパドックの段階から、またがった瞬間から1600メートルを意識して組み立てていました」とレース前の入念な準備を振り返った上で「スペースがない中、馬の能力で最後切り開いたところを出てきてくれたということですので、やはり能力の高さを感じます。当たり前といえば当たり前なんですけど、素晴らしい馬ですね」と改めて能力を再認識した。 川田はこの勝利で史上8人目となるJRA通算2100勝のメモリアル。「また区切りを迎えさせていただいて、ありがたく思います。これからも与えていただいた仕事を一つ一つ精いっぱい全うしていきたいと思います」と一層の精進を誓った。 今後は優先出走権を得たチャンピオンズC(12月1日、中京)には向かわず、来年のフェブラリーS(25年2月23日、東京)に直行予定。鞍上は「これでも一番いい時とはもうひとつ足りないので、そういう状態に改めて持っていければな、というところです」と思いをはせた。ダート戦で9戦7勝。底知れぬ砂の新星が大きな壁を乗り越え、次のステージへと突き進む。 ◆エンペラーワケア 父ロードカナロア 母カラズマッチポイント(母の父カーリン)20年5月2日生まれ 牡4歳 栗東・杉山晴厩舎所属 馬主・草間庸文氏 生産者・北海道日高町の下河辺牧場 戦績10戦7勝(重賞2勝目)総獲得賞金1億6738万1000円 馬名の由来は皇帝+ハワイの男神ワケア。