【フラットプレーンV8搭載のPHEV】アストン マーティン・ヴァルハラ 世界限定999台で来年度に生産開始
冷却にも妥協無し
ヴァルハラは、インテリジェントなトルクフィル、Eブースト、およびロードシフト機能を組み合わせて活用することで、ハイブリッド・パワートレインから最大限の性能と効率を引き出し、すべてのハイブリッド・ドライブモードにおいて、最高のドライビング体験を提供する。 トルクフィルとEブーストは、電気モーターの推進力を活用し、ツインターボV8エンジンの圧倒的なパワーをさらに強化し、パフォーマンスとレスポンスを向上させる。 この最先端のハイブリッド・パワートレインのメリットは、ドライバーがアクセルを踏み込んだ瞬間に明らかになり、トルクフィルは、ターボチャージャーが要求されるブースト圧を発生するまでの間、電気モーターから瞬時にトルクを供給し、わずかなターボラグであっても解消すると述べている。 Eブーストは、トルクフィルの機能を拡張し、内燃エンジン単体で発生可能な最大値を上回る総合的な駆動力を実現。Eブーストの使用中は、その効果の安定性と維持が管理されており、ロードシフトや回生ブレーキを通じて消費電力を補充される。 DCTに組み込まれたP2.5電動モーターを活用するロードシフトは、エネルギーの消費と使用状況を監視し、エネルギーを最適に蓄積または供給することで最大の効果を発揮。 通常の安定した走行状況では、V8エンジンの負荷を最小限に抑えることで、燃費の改善が可能だ。 負荷が増加した場合には、余剰エネルギーが高電圧バッテリーに蓄積され、エンジンの稼働効率が低下するアイドリング時や、渋滞中の低速でのストップ&ゴーなどでは、エンジンが自動的に停止し、スポーツ・モードを選択中でも電気駆動が作動。 さらに、回生ブレーキは、ブレーキングや減速時に運動エネルギーを回収して高電圧バッテリーに蓄え、後の利用に備えることで効率を向上させる。 ヴァルハラの熱管理を最適化するために車両全体に配した冷却ネットワークが、プラグインハイブリッド・パワートレインを制御し、ドライバーは究極のパフォーマンスを引き出すことが可能となる。 3基の4LツインターボV8エンジン用の高温ラジエーターが、フロントのノーズ部分に設置されており、また、高電圧システム用の小型ラジエーターと、キャビンとバッテリーを冷却する冷媒システム用のコンデンサーも搭載される。 さらに、冷媒システムからの供給により冷却を行うバッテリー用冷却装置は、空気の流れを必要としないためクラムシェル内に隠れる形で配置されており、冷却液はエアコンシステムによって冷却される。 F1に着想を得たルーフスクープは、エンジン真上に取り付けられた2基のエアチャージクーラーに空気を供給。このコンポーネントを設計する際には、新たな取り付け方法を採用し、5kg以上の軽量化を実現した。 この広範な冷却ネットワークは、車体側面に配置された2基のサイドラジエーターにより完成し、これらはドア・ターニングベーンによって車体側面に導かれた空気を使用し、左側のクーラーはエンジンオイル、右側のクーラーはトランスミッションオイルを冷却する。
AUTOCAR JAPAN(執筆)