【フラットプレーンV8搭載のPHEV】アストン マーティン・ヴァルハラ 世界限定999台で来年度に生産開始
4つのドライブモード
始動時のヴァルハラのデフォルトはスポーツ・モードだが、ドライバーは手動でピュアEV、スポーツプラス、レースのいずれかのドライブモードを選択することが可能だ。 各モードは、パワートレイン(トルクベクタリングやハイブリッドシステムの統合を含む)、サスペンションの硬さ、アクティブ・エアロ、ステアリング・キャリブレーションの設定が異なり、それぞれ特徴ある走行特性を実現。ピュアEV・モードでは、フロント・アクスルのモーターのみで駆動し、航続距離は14km、最高速度は140km/hに制限される。 4つのドライブモードを事前設定で用意していて、ドライバーはセンタースタックにあるロータリースイッチで自由にモードを選択できる。 この触覚的な操作は、ドライバーと車の一体感を最大限に高め、各ドライブモードはそれぞれ明確な意図をもってキャリブレーションされており、ドライバーは差別化された走行体験を楽しむことができるという。 静かに始動するピュアEV・モードは、顧客に旅の始まりと終わりに利用されること想定している。バッテリー残量が少なくなると、ヴァルハラは自動的にスポーツ・モードに切り替わる。 スポーツ・モードでは、4LツインターボV8エンジンが作動し、電動フロント・アクスルによる瞬時のトルクと、V8エンジンの圧倒的なパワーを組み合わせたハイブリッドスーパーカーの走行性能を実現。 スポーツプラス・モードは、公道でのダイナミックなスリルを最大限に引き出し、レース・モードは、究極のパフォーマンスを追求し、サーキット走行を念頭に置いて、アクティブ・エアロダイナミクスがフルに活用される。
ドライブモードの差別化
ピュアEV、スポーツ、スポーツプラス・モードでは、アクティブ・リアウイングは格納されたままで、ヴァルハラのエレガントなシルエットが保たれる。 レース・モードでは、リアのTウイングが強力な油圧ラムによって255mm持ち上げられ、最大限のダウンフォースを生み出しす。ヴァルハラのフロント・アクスルの前方には、特徴的なアクティブ・リアウイングと連動するアクティブ・フロントウイングが隠されており、このコンポーネントは、レース・モードでの空力制御において重要な役割を果たす。 革新的な技術を採用したアクティブ・フロントウイングは、単一のメカニズムで複数の表面にわたる空気の流れを制御・管理できる設計だ。デフォルトではドラッグを最小限に抑える位置に設定されているが、レース・モードを選択すると、フロントウイングはダウンフォースを最大化するモードに切り替わり、フルレンジで動作する。 また、車両が不要なダウンフォースを逃がす必要があると判断した場合には、自動的にDRS(ドラッグリダクションシステム)が作動。レース・モードでのブレーキング時には、リアウイングは主にエアブレーキとして機能し、アクティブ・フロントウイングと連携して圧力のバランスを調整することにより、優れたブレーキング性能を発揮しつつ、最適な安定性を確保する。 アストン マーティンのビークルパフォーマンス担当取締役サイモン・ニュートンはユニークでやりがいのある旅となったヴァルハラの開発について、次のように述べている。 「エンジニアリングチームとビークルダイナミクスチームにとっての大きな挑戦は、ヴァルハラのハイブリッド・パワートレインの膨大なパワーを、アクティブ・エアロダイナミクスと統合したダイナミック・コントロール・システムの組み合わせにより初めて活用することでした。 1079psと112.17kg-mという驚異的なパフォーマンスを当然の前提としながらも、さらにサーキットでは次のレベルのスピード、精密性、そして興奮を実現し、公道では楽しく、エモーショナルなスーパーカーとしての特性を維持することが課題でした。 この前例のないダイナミックな帯域幅こそが、ヴァルハラを同クラスのライバルと一線を画す存在にしています」