セメント全く使用しないコンクリート、シールド工事に初適用
鉄建建設など
鉄建建設はIHI建材工業(東京都墨田区)と大阪府吹田市発注の下水道管渠(かんきょ)整備工事で、ジオポリマーコンクリートを国内で初めてシールドセグメント(円弧状の壁面ブロック)に適用した。IHI建材工業の茨城工場(茨城県行方市)で製造した「セメノン」を使用した。セメントを全く使用しないため、従来のセメントコンクリート製セグメントに比べ二酸化炭素(CO2)を大幅に低減できる。 セメノンを実際の工事に適用するに当たり、通常のセグメントと同様の製品検査を行い、従来のコンクリートと同等以上の性能であることを確認した。また、セメノンは従来のコンクリートと比べて約15倍の耐酸性、約5倍の透水抵抗性、約1・2倍の耐摩耗性があり、下水道関連施設の酸性環境下でも長寿命化を実現し、維持管理費の抑制につながる。 両社は今後の展開を見据え、各種の耐久性試験を実施。鉄建建設の建設技術総合センターでは外径3100ミリメートルのセグメントモックアップを設置し、自然環境下で性能試験と長期耐久試験を行っている。今後、両社はセメノンを下水道の汚泥ピットや貯留管など耐腐食性能が求められる構造物に提案する。