日銀・黒田総裁会見10月31日(全文2)消費増税の影響は前回より小さい
2%達成へのモメンタムを失っているのでは?
ロイター:すいません、ロイターの【キハラ 00:29:43】ですけれども、今回、物価の展望レポートの見通し、下方修正されましたけれども、そうなるとやはり適合的な性格が強いインフレ期待にもその影響を与えると思うんですけれども、今もインフレ期待、横ばい状態が長い間続いていることを考えると、経済、すでに2%達成に向けたモメンタムをかなり失ってるんじゃないかという見方もできると思うんですが、2点、実は質問があるんですけど、1点目、そちらをお願いします。 黒田:このモメンタムについての評価はかなり別紙で詳しく述べておりますし、それから参考資料のような形でいろんなデータもお示ししてあると思いますけども、やはりこの2%に向けたモメンタムを評価するに当たっては、一番大きな要素はやはり需給ギャップの動向と、それから中長期的な予想物価上昇率の動向ということになると思います。 需給ギャップにつきましては先ほど来申し上げてるように、製造業中心に輸出の弱さの影響を受けてますので、一時的に若干プラスの幅が縮小するかもしれませんが、2021年度までの見通し期間を通じて見ると、やはり現在程度のプラスの需給ギャップが続くだろうと、これが1つですね。 もう1つは、おっしゃる予想物価上昇率なわけですけども、これは一時下がって、その後上がったんですが、今のところはずっとだいたい横ばい圏内で推移していて、2%に向けてまだ上昇していくっていう状況になってないことは事実なんですけど、ただ、いろいろな予想指標を見るに、今の時点で下がっていくっていう状況でもないし、確かに上がっていくっていう状況にもなってないということなので、ただ、いわゆるアダプティブな予想形成っていう要素が強い日本においては、需給ギャップがプラスの状況が続いて物価の上昇率が上がっていけば当然、予想物価上昇率も上がっていくと思いますので、プラスの需給ギャップが続くっていうことが非常に重要じゃないかというふうに思っております。