【シニアのお金事情】年金だけで老後を過ごせる人は日本にどのくらいいる?
公的年金の財政状況をチェックし、およそ100年後までの給付水準の見通しを示す「財政検証」が今年実施されます。 【写真4枚を見る】【円グラフ】年金だけで生活している人の割合。現代シニアのリアルな生活費は?図表で見る 国民年金の納付期間を延長した場合や「在職老齢年金」を廃止した場合の影響などを試算するとしています。 年金は老後の生活を支える柱です。しかし、少子高齢化によって、年金制度が改正される度に負担が増え、給付が減る方向に進んでいくことは避けられないでしょう。 現状、日本で年金だけで暮らしていける人はどのくらいいるのでしょうか。受給額ごとの人数や老後の生活費をもとに割合を出してみました。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年金だけで生活している人の割合
厚生労働省の「国民生活基礎調査」(2022年)によると、公的年金を受給している高齢者世帯のなかで、公的年金だけで生活している世帯(総所得に占める公的年金の割合が100%の世帯)は44%となっています。 高齢者世帯のおよそ4割が、年金だけで生活しているということです。 残りのおよそ6割(56%)の世帯は年金だけでは生活できないことが浮き彫りになりました。 この調査では、年金がいくらあったら、年金だけで生活できるのかがわかりません。 そこで、老後の生活費から必要な年金額を求めてみましょう。
老後の生活費はいくらかかる?65歳以上・夫婦のみ世帯の家計収支
総務省の家計調査から、65歳以上の無職世帯の家計収支を「夫婦のみの世帯」、「単身世帯」に分けてみてみましょう。 収入についてみると、実収入24万4580円のうち、社会保障給付(年金など)が21万8441円、その他の収入が2万6139円です。 支出は、生活費にあたる消費支出が25万959円、税金や社会保険料などの非消費支出が3万1538円です。差し引きすると、不足分が3万7916円になります。 65歳以上の夫婦世帯の年金受給額は平均で約22万円、生活費は約25万円かかるということがこのグラフからわかります。 年金以外に収入があっても、税金や保険料などの支出も含めると、3万8000円程度不足します。 続いて、単身世帯をみてみましょう。