ハリス、トランプ両氏が取り込み狙う残り少ない浮動票-選挙戦最終盤
(ブルームバーグ): 米大統領選投開票日まであと15日となり、共和党候補のトランプ前大統領は派手なイベントや異例のメディア出演といった集中的なキャンペーンを通じ、いつもは政治に関心がないような有権者に支持を働き掛ける。
一方、民主党候補のハリス副大統領は同党が優勢な「ブルーウォール」と呼ばれるペンシルベニア、ミシガン、ウィスコンシンの3州の死守に焦点を絞り、選挙結果を左右する可能性のある残り少ない浮動票の獲得を目指した新たなメッセージを発信する。
それぞれのアプローチは両候補の根本的な違いを浮き彫りにするものだ。トランプ氏は巧みなメディア戦略などを通じ米政治に大きな影響力を発揮してきたのに対し、ハリス氏は計画的かつ整然とした手法で急速に存在感を増した。
ただ、歴史的に見て今年の大統領選が互角の大接戦の様相を呈しているという点では、両候補は同様の現実に直面している。
両氏の陣営の担当者らは、激戦7州でどちらの候補が支持者および、まれにしか投票しない有権者を最も多く動員することができるかで勝敗が決まるとみている。
トランプ氏は共和党候補選びの予備選の段階から用いてきた戦略として、選挙までの約2週間に若年男性や黒人男性、ラテン系の有権者の支持を固めたい考えだ。
ハリス氏はこれに対し、郊外在住の女性や黒人のほか、トランプ氏の言動などに不快感を抱く共和党中道派の間での支持積み上げを目指す。
ペンシルベニア州のシャピロ知事は「1ポイントないしそれ未満」の小差での勝負になるとの見方を示した。
ブルーウォール3州ではいずれも民主党のシャピロ知事、ミシガン州のウィットマー知事、ウィスコンシン州のエバーズ知事が過去1週間に州各地遊説のためのバスツアーを行った。
シャピロ知事はハリス氏がペンシルベニア州で勝利するときっぱりと話し、エバーズ知事はウィスコンシン州でのハリス氏勝利に「自信」を感じると表明。ウィットマー知事もミシガン州はハリス氏の勝利だとの予想を示した。