小中高生の自殺が高止まり…自殺対策白書を閣議決定
政府は2024年10月29日、2024年版「自殺対策白書」を閣議決定した。2023年の小中高生の自殺者は513人で、過去最多となった2022年と同水準で推移。自殺の原因・動機では、「家族からのしつけ・叱責」は小学生、うつ病や精神疾患は女子高校生に多い傾向にある。 【画像】小中高生の性別にみた自殺者数の推移
2024年版自殺対策白書は、「自殺の現状」「こどもの自殺の状況と対策」「令和5年度(2023年度)の自殺対策の実施状況」の3章と参考資料で構成している。
国内の自殺者数は、1998年に3万人を超え、2003年には統計を取り始めた1978年以降で最多の3万4,427人にとなり、その後減少。2020年に11年ぶりに増加に転じ、2023年は2万1,837人と前年より44人減少した。男女別では、男性は2年連続の増加、女性は4年ぶりに減少した。
一方、10歳代は近年緩やかな上昇傾向にあり、2023年の小中高生の自殺者数は513人。過去最多であった2022年の514人と同水準で高止まりしている。内訳は、高校生347人、中学生153人、小学生13人。
小中高生の自殺の原因・動機は「不詳」である割合が高く、学校段階が上がるにつれて、その割合は低下。「家庭問題」は男女ともに小学生、「健康問題」は女子高校生、「学校問題」は男子で中高生、女子では中学生の割合が高い傾向にある。
自殺の原因・動機の詳細項目をみると、家庭問題では「家族からのしつけ・叱責」「親子関係の不和」、健康問題では「病気の悩み・影響(うつ病)」「病気の悩み・影響(その他の精神疾患)」、学校関係では「学業不振」「その他学友との不和」「その他進路に関する悩み」などが多くみられる。
中でも「家族からのしつけ・叱責」は小学生、うつ病や精神疾患は女子高校生に多い。学校問題に関しては、男子は学校段階が進むにつれて学業不振や進路、入試など、学業的な項目が増え、女子は「学友との不和」といった人間関係に関連した項目がみられるという。