「わかったつもり」の勘違いが落とし穴につながる 過去の事例に学ぶ思い通りに仕事を進める方法
私が提案した「発足して間もない」団体は、知名度や実績という点で、不十分でした。寄付を呼びかける際に、まず「どんな団体なのか」から説明しなければならず、また「なぜその団体に寄付をするのか」についても説明を求められる可能性もありました。 1回1回の説明はちょっとしたことかもしれませんが、それが全国で行われたら……。寄付のスピード、そして金額に影響を及ぼすことになるのは間違いないでしょう。 「被災地を支援したい」「会社としてできることをしたい」という想いに駆られて、孫さん、そして経営陣が何を大事にしているのかを、見失っていた結果でした。
そもそも相手はどんな人間なのか。何を大事にして、何を気にするのか。どんな提案に喜び、どんなことに怒るのか。 こうしたことは、100%理解できることがなくとも、少なくともそれを日々考えて、行動することが重要です。それが、仕事を進めていく上では不可欠なのです。
池田 昌人 :ソフトバンクCSR本部長兼ESG推進室長、子ども未来支援財団専務理事