【詳細データテスト】フォルクスワーゲン・ゴルフGTI マイルドな乗り味に改良 悔やまれるMT不在
中間加速
20-40mph(32-64km/h):1.7秒(2速)/3.7秒(3速) 30-50(48-80):1.8秒(2速)/2.6秒(3速)/3.9秒(4速) 40-60(64-97):2.6秒(3速)/3.7秒(4速)/5.0秒(5速) 50-70(80-113):2.7秒(3速)/3.7秒(4速)/5.2秒(5速)/6.7秒(6速) 60-80(97-129):2.9秒(3速)/3.8秒(4速)/5.5秒(5速)/7.3秒(6速)/8.3秒(7速) 70-90(113-145):3.9秒(4速)/5.6秒(5速)/8.1秒(6速)/8.8秒(7速) 80-100(129-161):4.2秒(4速)/5.9秒(5速)/9.1秒(6速)/9.6秒(7速) 90-110(145-177):4.6秒(4速)/6.4秒(5速) 100-120(161-193):6.9秒(5速)
ドライ制動距離
テスト条件:乾燥路面/気温17℃ 30-0マイル/時(48km/h):8.7m 50-0マイル/時(64km/h):23.5m 70-0マイル/時(80km/h):46.3m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.48秒 ■ウェット制動距離 テスト条件:ウェット路面/気温17℃ 30-0マイル/時(48km/h):9.8m 50-0マイル/時(64km/h):27.3m 70-0マイル/時(80km/h):57.4m 60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.98秒
結論 ★★★★★★★☆☆☆
フェイスリフトされたバージョン8.5のスタンダードなゴルフは、並はずれたファミリーハッチだ。実体ボタンがキャビンに欠けているのを別にすれば、すべてがみごとで、目立った欠点はない。 価格差のぶん、GTIにはパワーや速さのアップだけでなく、ドライビングの熱中度も高まっていることを期待するだろう。エネルギッシュなエンジンには前者を実現してくれる以上のものがある。 とはいうものの、それ以外のエリアを強化するのは、いまやノーマルのゴルフでも遅くはないので、GTIでも簡単ではない。加速にメリハリをつけるMTはなく、シャシーのコンサバティブなセットアップやフィールの乏しいステアリングは、ドライバーを夢中にさせることができない。 その結果、ゴルフの速い仕様は、価格が高く、快適性や経済性は通常モデルより低く、ドライビングにはあまり熱中できないクルマとなった。そのせいで楽しくないクルマだとまでは言わないが、フォルクスワーゲンが、価値を高めることができる数少ない機会を逃したと思わずにはいられない。 ■担当テスターのアドバイス ◆イリヤ・バプラート スタンダードなゴルフのMT車に乗ったが、1.5TSIは回転数の上下が遅すぎて楽しめなかった。GTIの2.0Lエンジンならもっと元気で、ややタイトなシフトクオリティがマッチするはず。しかし、残念ながらその選択はない。 ◆マット・ソーンダース フォルクスワーゲンは、GTIをアグレッシブすぎる見た目に仕立てたい誘惑に抗った。車高を下げた構えや左右出しのテールパイプは、クルマの性格に合ったものだが、それでも調和が取れていて、GTIのあるべき姿となっている。もうちょっと攻めた仕様がほしければ、クラブスポーツを待とう。 ■改善してほしいポイント ・ステアリングフィールをもっとナチュラルに。 ・シャシーにもうちょっとスロットルでのアジャスト性を。 ・MT車の復活を。ほかのハードウェアはそのままに。
マット・ソーンダース(執筆) イリヤ・バプラート(執筆) ジョン・ブラッドショー(撮影) 関耕一郎(翻訳)