「さよならセブン 今までありがとう」25年間連れ添った相棒「1999年式RX-7」とのお別れセレモニー 80歳の誕生日に愛車を譲渡し免許返納の潔さ 長持ちさせる秘訣とは
■西本さんが25年間乗り続けてきたRX-7の状態と、長持ちさせる秘訣とは
マツダディーラー赤迫店長が西本さんのRX-7の程度について、とてもいい状態とおっしゃっていたが、25年経ってもここまでいい状態なのは珍しい。長持ちさせる秘訣はあるのだろうか? 新車から25年間、ボディコーティングを最初は1年ごと、3年ごと、5年ごとにしてきたそうで、実際に見た感じもボディは艶々。普段、停めているのは屋根付きのカーポートということもある。洗車はコーティングしてあることもあってか、自分ではせず、天然の雨のシャワーで汚れや埃を落として来たそうだ。 実際に実車を隅々までチェックさせていただいたが、左側の前後のホイールにガリ傷はあったものの、外観は素晴らしく綺麗な状態。左右ドア、エンジンルーム、フェンダーなどの修復歴はなかった。サスペンション関係やブッシュ類は交換したことはないという。ただ、若干、エンジンルーム内にオイルの滲みがあるそうだ。 西本さんがメーターに刻んだ、RX-7の総走行距離は7万7592km。ステアリングは経年、走行距離からすると、とても状態がよかった。ダッシュボードはテカっておらず、天井も落ちていなかった。クラッチを踏んでMTのシフトノブを動かしてみたが引っ掛かりがなく剛性感もあり、クラッチペダルも軽く、ちゃんと整備されている印象。全体的にシャキッとしていた。 西本さんに25年間、コンディションのいい状態を維持し続けた秘訣はあるのか聞いてみた。「私はクルマ(メカニズムやメンテナンス)のことは何もわからないので、整備士の方にここがもうすぐ悪くなりそうなので換えましょうとか、オイルが減ってきたので交換しましょうとか、とにかく早め早めの対応をしてくださったのがよかったのかもしれませんね」。 以前、RX専門店に取材したことがあるが、ロータリーエンジンはレシプロエンジンでいうところのピストンリング、アペックスシールが摩耗(5以下は厳しい)してきて圧縮が減ってきたり、破損して圧縮がゼロになることもあると聞いた。また燃焼室の冷却水が通っているライン近くが経年変化でサビてきて、燃焼室と冷却水のラインとの間が開通してしまい圧縮比がダメになるパターンが多い。 蛇足となるが13BREWのエンジンブローを避ける予防策として、エンジンオイルは3000kmごとを目安に、安いオイルではなく良いオイルを使って交換する。冷却水と点火プラグも半年ごとを目安に交換するといいとのことだった。 取材翌日にはマツダ広島本社にキャリアカーで運ばれ、当時のFD3S開発メンバーによって実際にシャシー、エンジン類などをしっかり診てもらって、交換するべきところは換えるという。