”家事代行”も”宅配サービス”も契約してるのに…エリート夫が妻に《モラハラ》をしてしまった”納得の理由”
コロナ禍以降、生活スタイルの変化に伴って夫婦の時間が増えた結果、熟年離婚が相次いでいる。離婚の原因を紐解いてみると、夫婦関係のほんのささいな不満に根ざしていることも少なくない。 【マンガ】「しすぎたらバカになるぞ…」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性が絶句 本連載では、離婚カウンセラーとしてこれまで約4万件もの離婚相談を受けてきた著者の新刊『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』(岡野あつこ著)より一部抜粋・再編集して、夫婦関係におけるトラブル回避のためのノウハウをお届けする。 身近な人間関係に対するコミュニケーション技術は夫婦間の問題のみならず、職場や家庭、子どもや介護にまつわる悩みの解決にも役立つはずだ。 『なぜ「妻の一言」はカチンとくるのか?』 連載第10回 『約4万件の離婚相談を受けてきた"敏腕カウンセラー"が教える、《夫婦間のトラブル》を回避するための《万能コミュニケーション術》』より続く
「食洗機の音がうるさい」
次のケースについて、みなさんはどう思われるでしょうか。 1年ほど前、ある女性が私のところに相談にやってきました。年齢は50代で、お子さんが3人います。 相談内容は「夫のモラハラに悩んでいる」というもの。ただ、彼女の話を聞いた私はびっくりしてしまいました。 夫が「食洗機の音がうるさい」と言って怒る、それが耐えられないので離婚を考えている、というのです。 たしかに食洗機の音は結構うるさいので、ストレスに感じる人もいるかもしれません。でも、相手が離婚を考えるくらい怒るのはひどい気がします。 相談者の女性は「モラハラ」と言っていますが、そもそも家事に口出しされるのは嫌なものです。先述の既婚女性へのアンケートでも、夫の嫌な言動の第2位に「いろんなことに口出し・干渉する」が入っていました。
段取りがいい夫と、段取りがよくない妻
ただ、くわしく話を聞いてみると、もっと違う問題が浮かび上がったのです。 夫は父の経営する会社の副社長で、仕事ができるタイプ。段取りがよく、妻にもテキパキとした要領のよさを求めるそうです。 一方、相談者女性はエステサロンのオーナーをやっていましたが、あまり段取りがよくないタイプです。結婚後は専業主婦ですが、よく家事のやり方が悪いと怒られているそうです。 とくに夕食の用意の仕方が夫から不評のようです。この夫婦は専業主婦の妻が夕食をつくる約束になっています。夫は夜9時には自室に引き上げる習慣なので、夕食は6時から7時くらいにとりたいのですが、いつも夕食の支度が間に合わないそうです。 6時に夕食なので、4時とか、5時くらいには準備をはじめる必要があります。でも妻は夕方になってもつい、かかってきた友達からの電話に丁寧に対応したり、LINEをしたりしていたようです。 そういうダラダラしたところが夫には耐えがたいようです。ちなみにこの家庭では日中の家事代行サービスを頼んでいて、掃除などの家事の負担はないそうです。