復調の気配か?2試合連続ドローもシステム変更で活性化の川崎は流れを掴めるか
湘南戦も勝てずも
[J1第20節]川崎 1-1 湘南/6月26日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 【動画】川崎×湘南のハイライト!! 悔しいドローと言えるだろう。 ホームに湘南を迎えた川崎は前半から多くのチャンスを作りながらネットを揺らせずにいると、、62分にはCF山田新の力強い突破から左ウイングのマルシーニョがクロスに合わせて先制ゴールを奪ったが、78分に湘南MF田中聡に強烈なミドルを決められて1-1のドローで試合を終えたのだ。 前節(19節)の新潟戦は試合終盤に逆転を許しながら、試合終了間際に意地の同点弾を奪って、劇的なドローを演じていた。 2試合連続の引き分けという結果だけを見れば、マイナスのイメージも沸く。ただ、2節前(18節)の神戸戦で戦う姿勢を示せず、不甲斐ない敗戦を喫していたチームは、新潟戦と湘南戦で奮起。前からのプレス、味方を追い越す動き、ゴール前への飛び出しなど、躍動感が蘇った印象で、ポジティブな要素も残している。 立ち位置は状況によって変わるが、4-3-3から4-2-3-1へ基本システムをシフトしたことで、守備時は4-4-2のような形で相手にプレスをかけやすくなった点もチームを活性化させているように映る。現に脇坂泰斗も「守備の追い方や奪いどころがはっきりしていたので、その分、迷いなくできている」と語り、積極的にボールを奪いにいく良い守備からの良い攻撃という好循環を生み出していると言えるだろう。 さらにチームに熱をもたらすことのできる魂のストライカーである小林悠の復帰も大きい。本人も「自分が怪我から復帰してからは勝利への強い意識などをより変えるために声掛けをしたりしています。やっぱりフロンターレはこの順位にいて良いチームではないので、なんとなくやって負けるというのは絶対にありえない。すべて出し切って負けるならまだしも、ダラダラと負けるのは絶対に許されないので、そういうところは意識しています」と話し、チームの勝利への活力をより引き出している。 もっとも2試合連続ドローとなったように、まだ詰めの甘さや課題が山積しているのも事実である。 小林も湘南戦後にこう語る。 「この内容で勝てなかったらダメだなと思いますし、相手をだいぶ圧倒していたので勝たなければいけない試合だったと思います。前半から点を取れるチャンスがありましたし、決め切れないと、やはりこういう試合になるのかなと。相手のシュートはスーパーでしたが、追加点が本当に大事だなと改めて感じました。 ただ内容的にはよくなってきたと思うし、みんな勝ちに対して必死になってやってきていますし、声掛けなどもひとつになってやろうとしているなかで、だからこそ結果がついてきてほしい。なかなか勝ち切れないので苦しい。でもちょっと前よりは手応えというかそういうものはみんな感じていると思いますし、だからこそもっともっと結果にこだわらなければいけないと感じます」 19年ぶりとなる負け越しターンで後半戦に臨んでいる川崎。この連戦で得た変化をより大きな力へと昇華できるか。次の広島戦も注目だ。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)