首相帰国、終盤国会の論戦が焦点 外交成果での政権浮揚見通せず
岸田文雄首相は16日、イタリア、スイスでの一連の外交日程を終え、政府専用機で羽田空港に帰国した。今後は23日に会期末を迎える終盤国会の論戦が焦点となる。自民党政治資金パーティー裏金事件の影響で内閣支持率低迷が続く中、得意とする外交の成果をアピールしたい考えだが、政権浮揚につながるかどうかは見通せない。 首相はイタリアで開かれた先進7カ国首脳会議(G7プーリアサミット)で、中国の威圧的行動や過剰生産、北朝鮮の核・ミサイル開発への対処でG7の連携を呼びかけた。 国会は、自民裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡り、参院政治改革特別委員会で18日に首相入りの審議を予定している。自民は19日に成立させる日程を描く。 19日には岸田政権として初めてとなる党首討論も実施される。立憲民主党の泉健太代表は党首討論の議論を踏まえ内閣不信任決議案提出の是非を判断する構え。終盤国会の与野党攻防は緊迫化する可能性があり、今回の外交が政権の追い風になる展望は開けていない。