学都ラボ 令和11年度開館へ 長野県松本市教育文化センター再整備
長野県松本市は、市教育文化センター(里山辺)を、ICT(情報通信技術)を活用した人材育成拠点「(仮称)学都ラボ」に再整備する。子供たちへの教育と合わせて教職員や一般向けの講座も開き、幅広い世代がICTを通して交流する場にする。1階の旧里山辺公民館部分を中心に改修し、令和11年度の供用開始を目指す。 20日の市議会経済文教委員協議会に改修内容を示し、了承された。不登校の児童生徒を支援する「(仮称)オンライン教育支援センター」を1階に設ける。ICTを活用した「つながる環境づくり」に向け支援員やコーディネーター、アドバイザーを配置するほか、メタバース(仮想空間)を活用した支援も模索中だ。1階には教職員の研修や一般向け講座を開く科学実験室、休日はサイエンスショーも開く「多目的フリースペース・交流スペース」も設ける。 現在は「科学展示室」となっている2階スペースには、プロジェクターやVR(仮想現実)機器を配置する。テレビ会議用のモニターやウェブカメラのある研修室も設ける。3階にはプログラミングやロボット工学に対応する研修室を備え、教科や分野を横断して学ぶ「スチーム教育」を目指す。高度な情報処理に対応するハイスペックPCや貸し出し用端末も配備する計画だ。 市は開会中の市議会6月定例会に提出している本年度一般会計補正予算案に、実施設計の関連費用1908万円を盛った。 市教育委員会は4年4月から5年1月まで4回の有識者会議を開き、再整備の方向性を検討した。教育政策課は「信州大学や地元の人たちと連携し、子供たちに探究力や情報通信技術を伝える施設にしていきたい」と狙いを話している。
市民タイムス