住宅地近く、クマ駆除 富山県朝日 道路封鎖、猟銃発砲 「こんなに近くぞっとする」
●14日から出没 クマの目撃情報が14日以降、相次いでいた朝日町横尾の住宅地に近いやぶで、25日午前11時ごろ、成獣1頭を町鳥獣被害対策実施隊が猟銃で駆除した。警察官職務執行法に基づき、入善署が発砲を命じた。住民の安全を確保するため、署はやぶ沿いの道路約800メートル間を封鎖。規制線内の住民3人が宮本町会館に一時避難した。けが人はいなかった。 【地図】クマが駆除された現場 入善署によると、25日午前8時ごろ、署員がドローンで、カキの木が生えているやぶの中にいるクマを確認した。やぶを取り囲んで規制線を張り、近隣住民に屋外へ出ないよう呼び掛けた。 やぶに隣接する空き家2階から町鳥獣被害対策実施隊員が地面に向かって発砲した。クマは体長約70センチ、体重25キロだった。 ●入善署「適正に対処」 住宅地近くでの発砲に対し、入善署は「周囲の安全を確保した上で適正に対処した」としている。 富山県猟友会の河島節郎副会長は「山間地であれば追い払う対処もできるが、今回は難しかった。猟銃を水平に発射せず、住民の安全に最大限に配慮した適切な対応だったと思う」と述べた。 現場はあいの風とやま鉄道踏切近くの住宅と空き家に挟まれたやぶ。約550メートル西にさみさと小がある。 現場のやぶに隣接する住宅に住む会社員男性(50)は「こんな近くに潜んでいたなんて、ぞっとする」と話した。山あいに近く、サルやニホンジカも出没するといい、「荒れ放題のやぶをどう管理していくか、地域で考えなければならない」と話した。 さみさと小に長男が通う会社員女性(40)は「クマがいつ出てくるかと思い、ほとんど外に出られなかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。 ●カキに強く執着か 県自然博物園