オーガニックコットンは、本当にサステナブル?
10月7日は世界コットンデー(World Cotton Day)。コットンの持続可能な生産と貿易を通して、社会、経済、そして環境にもいい影響がでるように、コットンを取り巻く現状について認知度を上げる日だ(世界貿易機構(WTO))。 タオルやTシャツなど、私たちの暮らしに身近な繊維、コットン。では、最近、よく耳にするようになってきたオーガニックコットンとコットンの違いって? やや高価ながら人気なオーガニックコットンを選ぶ理由として、「赤ちゃんの肌や敏感肌にやさしいから」「環境にいいから」「サステナブルだから」などと耳にするけれど、でも、それは本当?
オーガニックコットンは本当に地球にも人にもやさしい? オーガニックかそうでないかで、値段が大きく変わるのはなぜ? そんな疑問の答えを探るべく、サステナビリティ・エディターが、コットンを種から育ててみることに挑戦。育てながら実感した大変さや愛おしさも合わせて、オーガニックコットンを選ぶと、なにがサステナブルなのか調べてみた。
オーガニックコットンはどうやって育つ?
■コットン観察日記 5月22日:コットンの種をゲット コットンの種をゲットした日に驚いたのは、種が薄いモフモフに包まれていること。コットンと人類の歴史は、数千年前から現在までつづいているというのに、種を見るのは、これがはじめて。入手した種は、アメリカ産のアップランドコットンで遺伝子組み換えがされていないもの。 種は土のなかに入れる前に、水に濡れたティッシュで包み、1日程度、染み込ませるところからスタート。 土に入れてからは、様子を確認して「まだかなあ」と確認する日々。すると、4,5日後に、いくつかの種からかわいい双葉がでているのを発見! 約20年ぶりに植物を種から育てる体験に毎日そわそわ&ワクワク。
オーガニックコットンとコットンの違い
コットンは、世界の生産量が2番目に多い繊維。Textile Exchangeのレポートによると、2022年に約2,500万トンが生産され、世界繊維生産量の約22%を占めている(ちなみに最も多いのは、合成繊維で全体の約65%を占める)。コットンは繊維になるだけではなく、種子、茎、殻、リンター(コットン種子の表面にある繊維)などの部分からは副産物として、食用油や肥料が得られ、私たちの生活に必要な資源を供給してくれる。 従来のコットンは、収穫までの過程に殺虫剤や化学肥料、枯葉剤が使用されることがほとんど。害虫に耐性ができるよう遺伝子組み換えが行われることもある。遺伝子組み換え作物は殺虫剤使用減によりコストと環境負荷を軽減するはずだったが、カメムシの大発生など予想もしなかったことが起きている。農地や昆虫、さらには野生生物にまで影響を与えるリスクが浮き彫りになった(国連大学, 2010年)。