オーガニックコットンは、本当にサステナブル?
たとえば、人工授粉作業はインドでは伝統的に女子児童が行う仕事とされているそう。綿の摘み取りも、人海戦術が効果的なので、多くの女性か児童労働頼みになっている。アメリカでは、その厳しい労働をアフリカから連れてきた黒人奴隷に頼っていた歴史もある。私たちが手にとるコットンが安いのは、そうした背景があるのだ。
オーガニックコットンを選ぶと なにがサステナブル?
■コットン観察日記 8月29日:コットンの花が咲いた しばらくたったある朝に、白い花が咲いているのを発見! その嬉しさといったらなんとも言えない。だけど、花の命はあっという間。咲いた翌日には、きれいなピンク色に変化するものの、すぐしぼんでしまった。なんだか儚い。結局、もともと10個あった種から花をつけたのは2つ、できた実の数はそれぞれ1つ。合計2つという結果だった。 コットンを種から育ててみたことで、自然が与えてくれる恵みや条件のみで行う難しさを痛感。だからこそコットン農家の人々への感謝がじわじわと湧いてくるし、服の品質表示を確認して、コットンであろうとなかろうと、それが天然繊維であれば、その一着の服の原料を育む生産者や農家の人々に想いを馳せるようになった。 オーガニックコットンを選ぶということは、私にとって、遠く離れた地に住んでいる生産者と間接的にでもつながろうとする試みであり、彼らに感謝を伝える手段かもしれない。
オーガニックコットンがサステナブルといえる本当の理由は?
育て方がまったく異なるこの2つのコットン。実はその違いは、製品にしてしまうとわからなくなる。従来の方法で栽培されたコットンでも、残留農薬はとても少ない。そのため、収穫されたコットンのみからオーガニックかどうかを化学的に判別することは現状、不可能(日本オーガニックコットン協会)。つまり、オーガニックコットンでできた製品だから「赤ちゃんの肌にも使える」「肌にやさしい」ということは、誰にも言えないのだ。
殺虫剤や化学肥料の使用をせず土壌の力を守り、温室効果ガスの排出を軽減して育てられたオーガニックコットンを、あえて誰にやさしいのかと聞かれれば、それは恐らく環境とコットン農家にやさしいという回答になる。では、私たち一人ひとりが、どうやって真に有機農業でつくられたオーガニックコットンを見分けることができるだろうか? それを教えてくれるのが、第三者認証制度だ。