甲賀流「除草の術」? 忍者姿の作業員が石垣清掃 滋賀・水口城跡 観光PRと一石二鳥
甲賀流忍者発祥の地として知られる滋賀県甲賀市の県史跡「水口城跡」で、忍者の衣装を着た作業員が石垣の除草作業を行った。「忍者のまち」のアピールも兼ねており、16、18の両日で石垣はすっかりきれいに。市の担当者は「石垣もすっきりし、年越しの準備が整った。忍者のおかげで石垣の保護と観光PRの一石二鳥になった」と喜んでいた。 水口城は寛永11(1634)年、江戸幕府3代将軍、徳川家光の上洛に合わせ、宿館として幕府直営で築城された。石垣の除草は毎年実施しているが、今年は市観光まちづくり協会から「忍者姿で作業したら、おもしろいのでは」との提案があり、初めて作業員が忍者姿で作業を行った。 ボートから石垣によじ登った作業員は、塀から降ろしたロープで姿勢を保ちながら、手際よく除草。まるで、忍者が鉤縄(かぎなわ)を使って城内に忍び込む場面を再現するような姿で、見物していた観光客や近所の住民らは「おもしろいな」と楽しんで作業を見守っていた。 市歴史文化財課の伊藤航貴主査は「来年以降も忍者姿での除草が続き、冬の甲賀の風物詩になればありがたい」と話していた。