「いつも片方だけ鼻づまり」 これ病気? 手術が必要なケースとは? 【医師に聞く】
鼻中隔弯曲症の手術とは?
編集部: 鼻中隔弯曲症の手術はどのようにして行うのですか? 小松﨑先生: 内視鏡下で大きく曲がった鼻中隔の軟骨や骨を一部摘出し、鼻の通りをよくします。これを「鼻中隔矯正手術」と言います。 編集部: その手術をすることで片側の鼻づまりが解消されるのですか? 小松﨑先生: はい、鼻中隔が真っ直ぐになり、空気の通りもよくなります。そのため鼻づまりの解消が期待できます。 また鼻中隔の弯曲にあわせ、下鼻甲介(鼻のなかにある一番下のひだ)の粘膜が腫れていることもあるので、鼻中隔を真っ直ぐにする手術とともに、下鼻甲介の骨を削ったり、粘膜を切除したりといった手術を行うこともあります。 編集部: 鼻中隔弯曲症のほかにも、片側だけ鼻づまりが起きる原因はありますか? 小松﨑先生: 鼻茸と言って、鼻の内側の粘膜が膨らんでキノコのような形になる疾患があります。この鼻茸ができているときにも、片側の鼻だけが詰まりやすくなります。 鼻茸は慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に付随する症状であるため、内服薬などでの治療を行い、改善しない場合は手術を行うのが一般的です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 小松﨑先生: 片側だけ鼻が詰まるといっても、生活に不便がなく、これまでとあまり変わりがなければ気にする必要はありません。しかし、「最近、片側だけが詰まるようになってきた」「片側だけに違和感がある」というような場合には、何かしらの治療対象と考えられます。 「言われてみれば詰まっているかもしれない」というような時も、長期の経過のために本来の鼻通りよりも悪い状態に慣れてしまっている場合もあります。こうした症状にお気づきの際はぜひ一度、専門医にご相談ください。
編集部まとめ
鼻づまりは命に関わるような症状ではありませんが、集中力が欠如するなど日常生活の質を低下させる重大な原因になります。手術によって症状を大きく改善できることもあるので、困っている人はまず専門医に相談してみましょう。
【この記事の監修医師】 小松崎 敏光 先生(目黒本町耳鼻咽喉科) 2010年昭和大学医学部 卒業、2014年昭和大学大学院医学研究科修了、2014年昭和大学病院耳鼻咽喉科 助教、2016年東京都保健医療公社荏原病院(現・東京都立荏原病院)医員、2017年昭和大学横浜市北部病院耳鼻咽喉科 助教、2019年昭和大学横浜市北部病院耳鼻咽喉科 講師。医学博士、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定耳鼻咽喉科専門医・専門医研修指導医、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会認定補聴器相談医、日本めまい平衡医学会めまい相談医、身体障害者福祉法15条指定医。
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