年収650万円を「東京都」に奪われた男性の言い分 何を答えても否定ありきのパワハラ面接だった
10年ほど前、非正規公務員が集まる労働組合の集会に参加したときに、ある女性の当事者が「非正規公務員というと女性が多いと思われがちですが、これからは男性も増えてくるでしょう。将来のためにも一部の女性の問題ととらえず、男性も自分事として考えてほしい」と語っていたことを思い出した。 総務省調査では、地方自治体などの会計年度任用職員のうち8割が女性。現状だけを切り取れば、非正規公務員の問題は女性差別の問題である。しかし、この問題を放置すれば、いずれその波は男性ものみ込むだろう。10年前の警告が現実になりつつあることを、何よりトモアキさんが体現している。
11月、トモアキさんは再び東京都のSCの公募試験を受けた。「生きていかなければならない」からだ。今回の面接は昨年とは打って変わって穏やかだったという。合否の結果は年明け1月に判明する。 本連載「ボクらは『貧困強制社会』を生きている」では生活苦でお悩みの男性の方からの情報・相談をお待ちしております(詳細は個別に取材させていただきます)。こちらのフォームにご記入ください。
藤田 和恵 :ジャーナリスト