「仲間外れ」と感じたら試したい、悪影響を乗り越えるための「心構え」
周りに人がいるとき、自分は部外者であるように感じたことはないだろうか? どのグループといても、自分は隅にいて、頼れる人がおらず、深いつながりもないように感じたことはないだろうか? 「仲間外れにされている」「人から見向きもされない」「気に掛けてもらえない」などと感じた経験は、実は「大切にされたい」「仲間に入りたい」という根源的な欲求を物語っている。 私たちは皆、社会的なつながりを切望しているが、多くの人が「所属感の減弱(thwarted belongingness)」に耐えている。これは、どの社会集団にも溶け込めていない、価値を認められていない、という持続的な感覚だ。 所属感の減弱は、私たちのウェルビーイングに壊滅的な影響を与える感情的な体験であり、私たちの心に本物の悲しみを残す。「失われたつながり」ではなく、「持ったことのないつながり」に対する悲しみだ。 研究によれば、所属感の減弱が私たちの感情に及ぼす影響は2つある。 ■1. 深い孤独感 孤独はしばしば、物理的な孤立のみから生じる状態と誤解されるが、他者から感情的・心理的に切り離されていると感じることも含まれる。米国の公衆衛生総監が2023年に発表した『Advisory on the Healing Effects of Social Connection and Community(社会的なつながりとコミュニティーが持つ治癒的効果に関する勧告)』によれば、この種の孤独は身体の健康にも影響を及ぼし、その影響は1日最大15本の喫煙と同等だという。 実際、孤独は、うつ症状や不安障害といった心の病気だけでなく、心臓病などの体の病気とも関連しており、深刻な公衆衛生上の問題となっている。 所属感の減弱は、孤独を、人生全体に広がる逃れられないものと感じさせる場合がある。社会的なニーズが満たされない場合、孤独は悪循環となる。つまり、孤独を感じることで、さらに引きこもり、その結果、疎外感が深まっていく。 拒絶された経験は、それがささいなものであっても、この悪循環に拍車を掛けることがある。例えば、集まりに参加しても、取り残されているように感じる人は、さらなる拒絶を恐れて、社交の場を完全に避けるようになるかもしれない。 ■2. 自尊心の低下 所属感の減弱には、深刻な影響がもう1つある。自尊心に与える打撃だ。自分はここに属していない、と感じることが繰り返されると、自分は重要でない、愛される価値がない、他者にとって重荷だ、というメッセージを内面化しやすくなる。ちょっとした無視や誤解があっただけでも、他者は自分と一緒にいたくないのだと解釈してしまう。 こうした感情が、すでにある不安をさらに強め、自分は他者にとって「過剰」または「不十分」だと感じさせることもある。これはしばしば、「私はつまらない人間なのだろう」「私と一緒にいたい人など誰もいない」といった考えにつながる。 このような考えが深く根付いた結果、自分には愛される価値や、つながりを持つ価値がないと考え始める場合もある。他者と親しい関係を築いていないのは、環境やタイミングのせいではなく、自分が不十分なためだと解釈してしまう可能性がある。こうした感情が悪循環となり、さらにつながりから遠ざかってしまう。