「めまいの悩み」は、年だからとあきらめてはいけない理由…「脳と筋肉」だけは、年を取っても成長させられる
・歩いているとき、体が右や左に引っ張られるような感じがして、自然に右か左のどちらかに曲がってしまう ・人混みで他人にぶつかりやすい ・家の中で物にぶつかりやすい 「動揺性めまい」のつらいところは、めまいの治療を得意としない病院を受診すると、「原因不明」として有効な治療を受けられない場合があることです。「歳のせい」「気のせい」などと言われてしまうこともよくあります。 ■クラーッとする「立ちくらみ」にも要注意
以上の3つのタイプのほかに、もうひとつお話ししておきたいめまいの症状があります。立ち上がったときに「クラーッ」とする「立ちくらみ」という症状です。 これは耳ではなく、脳貧血や心疾患、脳血管障害などによる一時的な血流障害が原因となる症状です。低血圧、睡眠不足、疲労などが原因で起こることもあります。 この立ちくらみは、なかなか完全改善が期待できない少し特殊なタイプのめまいです。ときには重篤な病気が隠れていることもあるため、症状が頻繁に起こるようであれば、耳鼻咽喉科ではなく、循環器内科や脳神経内科を受診することをおすすめします。
とくに、65歳以上で生活習慣病の高血圧や糖尿病などの持病がある男性で、突然、強い立ちくらみの症状が出た場合は、脳梗塞や脳出血などの脳の障害が原因の「中枢性めまい」と呼ばれるめまいの可能性があるので、早急に脳神経内科、脳神経外科などを受診する必要があります。 ちなみに、高血圧や糖尿病などの持病がある男性は、女性の3倍も中枢性めまいになりやすいことがわかっているので、生活習慣病に注意することが重要です。
新井 基洋 :横浜市立みなと赤十字病院めまい平衡神経科部長