「めまいの悩み」は、年だからとあきらめてはいけない理由…「脳と筋肉」だけは、年を取っても成長させられる
会社組織にたとえると、会社が私たちの体で、大脳は、会社の司令塔である社長です。社長は信頼のおける優秀な部下がいなくては、会社にとっての最良の決断を下すことができませんよね。その社長の右腕となってはたらくのが小脳です。 さらに目、耳、足の裏は、中間管理職のポジション(その中でも、耳がリーダー的な役割)にあり、上司である小脳にこまごまとした情報を伝えます。中間管理職の人は、部下からの情報を集約・取捨選択して社長に伝えます。この連携がうまくいくことで会社は安定・繁栄します。
体もまったく同じで、小脳が優秀であれば、目、耳、足の裏から送られてきた情報を正しく大脳に送ることができます。大脳は受け取った情報をもとに手足に「動け!」と指令を送り、それに従って手足はうまく動くことができ、私たちは体のバランスを崩すことなく、立ったり、歩いたりできているのです。 ■「小脳」は体のパイロット めまいは、左右どちらかの耳のはたらきが低下する(左右差が生じる)ことで起きると説明しました。つまり、めまいを軽減するには、耳のはたらきの左右差を改善すればよい、ということになります。
しかし残念ながら、左右差を根本的になくす方法はありません。めまいの薬を使っても治すことはできないのです。そこで私が考案したのが「めまいリセット法」です。紙幅の関係で本稿では詳しく触れませんが、その多くは、小脳を鍛えることを目的としています。 私たちの体は、目、耳、足の裏からの情報を小脳がまとめ、大脳に伝えることで、バランスをとることができているのでしたね。しかし、片方の耳のはたらきが低下して左右差が生じた場合、小脳はその左右差を補おうとします。リセット法は、この小脳のお助け機能に着目したことで生まれました。
小脳と耳の関係は、プロペラ機にたとえることができます。プロペラ機の本体が人間の体だとすると、パイロットは小脳、両翼についているプロペラは耳です。 もしプロペラ(耳)のどちらかがうまく動かなくなったとしても、パイロット(小脳)が優秀であれば、なんとかバランスをとりつつ飛行を続けられます。しかし、腕の悪いパイロット(小脳)では、機体を制御しきれません。 パイロットは、どんなアクシデントも乗り切れるように、日ごろから訓練をしています。それと同じように、小脳のはたらきを日ごろから鍛えることが大切なのです。