岐阜・柳ケ瀬商店街 長崎屋建物 解体工事が本格化 来年3月完了 新たな発展へ万全期す
柳ケ瀬商店街の懸案の一つだった旧長崎屋(岐阜市日ノ出町)建物の解体工事が本格化している。工事を請け負う解体工事業の名神(本社岐阜市六条南2の12の20、森島晴之社長、電話058・271・7459)によると、4月から始まった解体工事の進捗(しんちょく)率は現在2割程度。内装の解体はほぼ終了し、来年3月末の完了に向けて順調に進んでいるという。現場はアーケードに囲まれた柳ケ瀬商店街の中ということもあり、安全対策を最優先に慎重に解体工事を進めている。(岐阜) 旧長崎屋の建物は塔屋部分を含めると地上9階、地下1階。延べ床面積は8155平方メートル。工事は在来工法に加え「階上解体」という工法も用いている。大型クレーンで重機をビルの階上につり上げ、上部から解体を進めていく工法だ。 同社は年間100カ所程度の解体工事を手掛け、同規模の建物の解体現場も4~5カ所はあるという。ただし今回は岐阜市中心市街地で商店が密集していることもあり、近隣の商店主らの意見を聞くなど、通常の現場以上に配慮したうえで工事を進める。現場の仮囲いには障害者のアート作品も飾るなど雰囲気を和らげている。
工事は順調に進んでおり、約1300平方メートルの建物跡地には「柳ケ瀬広場」が設けられる予定。岐阜市は本年度に広場の実施設計を進めており、次年度以降に整備に着手する。 長崎屋は2002年の閉店以降空きビルとなり老朽化が進み、跡地活用は積年の課題だった。折しも7月末、同じ日ノ出町内の岐阜高島屋が閉店。老朽化が進む建物については取り壊しが検討される。長崎屋を大きく上回る建物規模のため、解体には十数億円の費用と2年間にわたる歳月が必要とみられる。 名神の割山隆昭副社長は「長崎屋は20年放置されてきた建物。地域の命運を握る解体現場といっても過言ではない。柳ケ瀬の発展の新たなる一歩となるよう万全な工事に努めたい」と話している。