ダウンの暖かさを左右する「フィルパワー」ってナニ? 保温性と耐水性が大切なアウトドア用ダウンの選び方とは
軽量で保温性に優れたアウトドア用ダウンは、秋冬のアウトドア・キャンプの強い味方。しかし、アウトドア用ダウンと一口に言っても様々な種類があり、物によって値段も機能も全く異なります。自分にぴったりな1着を見つけるためにも、アウトドア用ダウンを選ぶ時のポイントをご紹介します。 【写真】ダウン選びのポイントをチェックする(全7枚)
保温性は「ダウンの比率」で左右される
アウトドア用ダウンでまずチェックをしておきたいのは、最も重要な「保温性」です。この保温性を左右するのが「ダウンの比率」。ダウンジャケットは、タンポポの綿毛のような形状をした「ダウン」と、一本の羽のような形状の「フェザー」の2種類が混ぜて詰められており、この割合によって暖かさに違いが生まれます。 ダウンの割合が高いものは空気を多く含むため、断熱効果が高くなります。保温性・軽量性などの機能性を重視するなら、ダウンの比率が70~90%のものをチョイス。しかし、ダウンの割合や質が高くなるにつれて商品も高額になります。機能性とコスパのバランスを取りたい方は、フェザーの割合を上げましょう。
「フィルパワー」の数値で分かるダウンの質
ダウンジャケットに使われるダウンの質は、「フィルパワー」で数値化されています。フィルパワーとは、羽毛のふくらみの大きさを表す数値のこと。数字が大きいほど保温性に優れていることを表すため、暖かさにこだわる人は600以上のものを選ぶと良いでしょう。さらに、700以上は登山に対応できるレベル、800以上は雪山のような厳しい環境でも使えるという目安になっています。 またダウンの羽毛には、安価な「ダック(アヒル)」と高価な「グース(ガチョウ)」の2種類があります。一般的にフィルパワーが高いものに使われる場合が多いのが、上質なグースの羽毛。どちらが使われているかを確認しておけば、品質面でも安心の1着が選べます。
防風性や撥水・防水・耐水加工も重要
中身のダウンの性能を活かすためには、表地の素材選びや機能性の高さも重要になります。アウトドアに適した生地は、防風性が高く手入れがしやすい、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維のもの。なかには手洗い可能な商品もあるため、汚れが気になる人は事前に確認しておきましょう。 また、アウトドアシーンでのダウンジャケットの大敵は「水分」。内部の羽毛が濡れると保温性が損なわれてしまいます。雨や雪で濡れても水分を含みにくい、撥水・防水・耐水加工の施されたものを選択してください。なかでも耐水圧は高いほど防水性に優れているので、アウトドアシーンでは10,000mm以上のものが推奨されています。フィルパワー、機能性など様々な選び方があるアウトドア用ダウン。お気に入りの一着を見つけて、冬の防寒対策に活用したいですね。
野中陽平