通帳や印鑑・キャッシュカードを紛失したら?口座にログインするIDやパスワードはどうやって管理する?今知っておくべき「被災時のお金の知識」【FPが解説】
店舗がないネット銀行でキャッシュカードを紛失したら?
ネット銀行を使っている人も最近は多くなりました。店舗を持たないネット銀行の場合、もし被災してキャッシュカードを紛失したら、まずはコールセンターへ相談しましょう。店舗のある自身の他行口座へ振り込み対応ができる場合があります。 便利な方法として、キャッシュカード不要でスマートフォンで生成したQRコードをかざすことで、コンビニATMから出金する方法もあります。 ネット銀行はメガバンクに比べて定期預金の利率などがよくお得ですが、災害には弱いというのが実情です。自分の使っているネット銀行が災害時にどういった対応するのか調べるなど、情報を確認しておくとよいでしょう。
写真付きの本人確認書類と現金を持っておく
銀行以外の生命保険会社・損害保険会社・証券会社などの金融機関も「災害時における金融上の特別措置」で払い出しの要請を金融庁から受けます。そのため必要な書類を紛失した場合でも、本人確認と契約内容が確認できれば払い出しを依頼できます。その際、顔写真付きの本人確認資料があるとスムーズに手続きを進められます。 Androidではすでにマイナンバーカードの搭載が始まっていますが、iPhoneは来年2025年春に搭載される予定です。いざというときスマートフォンさえ持って逃げることができれば、それだけで本人確認が容易になる可能性があります。 ただし、スマートフォンは充電が切れたらなんの役目も果たせないという弱点があります。キャッシュレス決済のみを使い現金を持ち歩かない方も増えてきましたが、大きな災害が起きると何日も電気が通らない可能性も少なくありません。筆者も浸水被害を受けたときは1週間電気が通らず、携帯も充電もままならない状況でした。被災していない場所まで行って充電する必要があり、とにかく大変でした。 電気が通らずスマートフォンの充電ができないという事態はもちろん、支援物資がなかなか届かない、物不足による価格の高騰なども起こるかもしれません。そうしたことを考えると、やはり、いくらかは現金を持ち歩く、非常持ち出し袋に小銭や現金(できれば千円札など細かいほうがいい)を用意しておくことをおすすめします。本人確認書類として、運転免許証やパスポートのコピーを取っておくのもよいでしょう。 また、身の安全が何よりも1番ですから、着の身着のままで逃げる場合もあると思います。枕元に避難用のスニーカーを用意し、中敷きの下に少しお金を入れておくのも一つの方法です。 これだけ自然災害が多い国であるにも関わらず、非常用持ち出し袋を用意している家庭は半数以下と言われています。皆さんのご自宅はいかがですか? これを機にぜひ用意したり、見直しをしたりしてみてはいかがでしょうか。 村井美則 ファイナンシャル・プランナー 【参考】 内閣府防災情報ページ https://www.bousai.go.jp/oyakudachi/info_saigaikyujo.html 金融庁災害等における被災者等支援について―金融上の措置要請 https://www.fsa.go.jp/ordinary/hisaisyashien_kinyusochi.html ゆうちょ銀行Q&A自然災害で参照の多いご質問 https://faq.jp-bank.japanpost.jp/faq_list.html?category=219
【関連記事】
- 「新NISAなんてやるんじゃなかった…」老後資金不足で投資を始めた年金月13万円・元会社員65歳がスマホを握りしめ「後悔に震えた」ワケ【FPの助言】
- 「親が亡くなったら、真っ先にコンビニへ走る」が新常識!相続手続きで困らないためにやるべき、たった一つのこと【税理士が解説】
- 「人が多い、暑い、物価も高い…東京にはもうウンザリだよ」…静かな生活を求めて地方に移住した〈年金11万円の65歳男性〉が半年後に大後悔した切実な事情【FPの助言】
- 日本年金機構から18万人に「赤い封筒」で最終通告、そのうち3万人が直面する「恐ろしい出来事」の実態
- 「こんなこと両親に知られたら…」“楽勝の老後”が約束されていた51歳元会社員、年金機構から届いた「赤い封筒」に戦慄【FPが警告】