「退職代行」業者から連絡、大企業の約 2割が経験 人材確保に「賃上げ」、「休日増」などで対抗
Q1.人手不足が経営課題の1つに浮上しています。貴社では人材確保(新規採用・離職防止)に向け、2023年1月以降でどのような施策を取りましたか?(複数回答)
◇「賃上げをした」が7割超え 人材確保への施策では、「賃上げをした」が73.5%(5,074社中、3,731社)で最多だった。次いで、「休暇日数を増やした」が24.4%(1,241社)、「社内レクリエーションを実施した」が10.5%(535社)、「テレワークを導入した」が8.5%(432社)、「施策は取っていない」が6.0%(305社)、「フレックスタイム制を導入した」が5.2%(268社)、「リスキリングに関する補助を充実させた」が4.6%(237社)と続く。また、「その他」は17.7%(902社)で、「外国人人材の登用」、「特別賞与の支給」、「パワーハラスメントの防止」などがあった。 規模別では、「賃上げをした」は大企業が84.9%(446社)、中小企業が72.2%(3,285社)で、中小企業が12.7ポイント下回った。また、「休暇日数を増やした」は大企業17.7%(93社)に対し、中小企業が25.2%(1,148社)で、中小企業は働き方改革を進め、福利厚生などの改善で人手不足に対処する傾向にある。 「社内レクリエーションを実施した」は大企業が12.1%(64社)、中小企業が10.3%(471社)で、具体的には「社員旅行」、「食事会やBBQ」などがあった。
Q2. 2023年1月以降、貴社では「退職代行」業者を活用した従業員の退職はありましたか?(択一回答)
◇全企業で約1割、大企業は約2割で経験 全企業で、「正社員・非正規社員であった」は1.9%(5,149社中、101社)、「正社員のみであった」は6.3%(328社)、「非正規社員のみであった」は0.9%(50社)で、これらを合計した「退職代行を活用した従業員の退職があった」企業は9.3%(479社)と約1割にのぼった。 規模別では、大企業は18.4%(499社中、92社)で約2割に達し、中小企業は8.3%(4,650社中、387社)で、2倍以上の開きがあった。 退職の背景は、職場環境、対人関係だけでなく、起業や夢、ステップアップの実現欲求など多様だ。だが、退職代行業の浸透は昔ながらの“円満退職”という言葉を死語に追いやる契機になるかもしれない。同時に、終身雇用など仕事への意識も大きく変わろうとしている。