日鉄買収「破談なら資産取得」 米大手、USスチールから
【ニューヨーク共同】米紙ウォールストリート・ジャーナルは6日までに、米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスが同業のUSスチールの資産取得に前向きだと報じた。USスチール首脳は同紙に対し、日本製鉄による同社の買収が成立しなかった場合の自社工場閉鎖の可能性に言及していた。 日鉄のUSスチール買収を巡っては、安全保障上の懸念などによりバイデン米大統領が買収を阻止する方向で調整に入ったと複数の欧米メディアが伝えている。 同紙によると、クリフスのゴンカルベス最高経営責任者(CEO)は「米国の鉄鋼業はわが国の安全保障上、重要な役割を果たしている」とし、バイデン氏が買収を阻止するとの報道を支持。買収が不成立となり、USスチールが将来的に工場を閉鎖した際は、クリフスが資産を買い取り、投資していく考えを示したという。 クリフスは米中西部オハイオ州に拠点を置く鉄鋼大手。昨年、総額70億ドル(約1兆円)余りでUSスチールに買収を提案したが、USスチール側は、独占禁止法上の問題などを背景に141億ドルを提示した日鉄を選んだ。