P&GからUSJへ、トップマーケターが明かす“世界3位の舞台裏”
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が躍進している。入園者数は2022年23年と2年連続で世界3位(米テーマエンターテインメント協会調べ)。これはユニバーサル・スタジオの“本家”であるアメリカや、東京ディズニーランドを上回る。 【全画像をみる】P&GからUSJへ、トップマーケターが明かす“世界3位の舞台裏” USJの来園者のうち3~4割は海外からの旅行者だ。 日本独自の経営について副社長に、成長を支える人材戦略については人事本部長に取材してきたが、最終回となる今回は現場を率いるマーケティング担当者に話を聞く。 参考記事:USJ副社長「統一された世界観のテーマパーク、息苦しい」。常識覆す“日本流”で世界から集客 参考記事:USJに集結する脱東京・優秀人材。大手ITやメーカー出身者、外国人ら惹きつける人事戦略とは
担当者が春夏秋冬で変わる「シーズン制」
USJがリピーター客へのエンゲージメントを高めるため、シーズナルイベントに注力していることは村山副社長の取材記事でも伝えたが、パークの企画や戦略も春夏秋冬の季節によって担当者が変わる「シーズン制」をとっている。 マーケティング担当として夏と秋を率いるのが、鶴隼人さん(ブランド・マーケティング部ディレクター)だ。どのようにその季節のビジネスを伸ばしていくか戦略を立て、それに基づきアトラクションやイベントなどをさまざまな部署と連携しながら作り上げ、ゲストに届けている。 「数年前からシーズン制を取っています。テーマパークの運営としてはかなりユニークだと思いますが、非常にうまくいっている実感がありますね」(鶴さん) 鶴さんは2020年にユー・エス・ジェイに入社して以来、秋シーズンを中心に担当してきた。 秋といえばハロウィーンだ。USJの「ハロウィーン・ホラー・ナイト」ではゾンビたちが自由にパーク内を闊歩して客を驚かす「ストリート・ゾンビ」が有名だが、2024年は混雑を避けるため10月30日31日の入場券を事前に販売終了するほど盛況だった。