P&GからUSJへ、トップマーケターが明かす“世界3位の舞台裏”
「USJとのコラボだからできること」を追求
USJではコラボするIPの選定は1年以上前から議論する。 「まずは顧客、我々の場合はゲストを理解することがマーケティングの出発点です。今のゲストは何に悩み、どんなストレスを抱えているんだろうと。 USJでもさまざまな調査を実施しており、それで定量的なものをはかります。 チェンソーマンでいうと、作品のダークさ、いい意味でのクレイジーさのようなものが、今回のハロウィーンのコンセプトにマッチすると思いました」(鶴さん) 出版社などのIPホルダーも、IPの可能性を広げるべく、メディアミックスには積極的だ。一方で、作品を知らない一般ゲストが楽しめて、かつ“オタク”も納得させるアトラクションやショーに仕上げるのは、簡単ではないだろう。IPを取り入れる際に、気をつけていることを聞いてみた。 「うまいバランスをいつも探っていますが、やっぱりIPのファンの皆さんに『わかってんな』と思ってもらえたら最高ですよね。 そのために僕たち自身も何度も漫画を読んだりアニメを観たりして、作品への理解を深めています。 そして何よりUSJとのコラボレーションだからできること、たとえばテーマパークにキャラクターが来園して何かが起きるなどのオリジナルストーリーを描くことは絶対的に大切にしています」(鶴さん)
竹下 郁子