台風6号 ノロノロのため大雨・暴風が長く続く恐れも 気象庁「夏休みだが、予定を柔軟に変える判断も」
台風6号は9~10日にかけて、九州に接近する見込み。動きが遅いため、大雨や暴風にさらされる期間が長くなることと、台風に近い九州だけでなく広い範囲に影響を及ぼす可能性があることが、今回の台風の特徴だ。このような特徴から、九州および西日本の太平洋側から東海地方で、期間中に降る雨量の合計が平年の8月の月降水量を大きく上回るおそれがあるという。 国土交通省と気象庁は7日午後2時から合同で記者会見を開いた。気象庁の立原秀一主任予報官は「台風に対する危機感、警戒感を高めてほしい。夏休みで、移動の多い時期だと思うが、場合によっては、予定を柔軟に変えていくような判断についてもお願いしたい」と呼びかけた。 台風6号は7日正午現在、奄美大島の東の海上をゆっくり北上している。中心気圧は970ヘクトパスカル、最大風速30メートル。今後、この台風はゆっくりと北上する見通しで、9日午前9時には九州にかなり接近するおそれがある。この時の中心気圧は965ヘクトパスカル、最大風速30メートルの見通しで、その後は九州あるいは九州の西の海上をゆっくりと北上していく予想となっている。
台風6号、なぜノロノロ?
台風6号は動きが遅いことが大きな特徴だが、気象庁の立原主任予報官は「これは夏の台風の特徴の一つといえる」と話す。台風は一般的に、太平洋高気圧の縁に沿って進みながら北上し、西から東に吹く偏西風に押し流されることなどで東に進路を変える。しかし、太平洋高気圧の勢力が強い夏は、偏西風が秋に比べると北を流れるため、日本列島付近では台風を押し流すような風が弱い状況になりやすい。その結果、台風のスピードは遅く、動きも複雑になりやすいという。