逆転で箱根駅伝4連覇を果たした青学大の勝利メソッドとは?
神奈川大はチーム3~4番手の鈴木祐希(4年)が外れ、1区と2区がもうひとつ伸びず、5区で大ブレーキ。東海大はエース格の關颯人(2年)が離脱して、2区、4区、5区、7区も期待外れ。10区では区間16位の失速もあった。青学大も様々なアクシデントがあったものの、見事な「調整力」で完全にリカバリーした。 近年の箱根駅伝は上位校の戦力はさほど大差がなく、トップを独走するチームが断然有利になる。 そういう意味ではどこで首位に立ち、どうやってセーフティーリードを奪うのか、という2点が勝つためには重要だ。今回、東洋大はトップに立ち、主導権を握ることができたものの、大量リードを確保することはできなかった。反対に青学大は6区で狙い通りにトップを奪うと、7区でセーフティーリードを手にして、8区でダメ押し。復路は完璧なレース運びで、最終的には独走Vを飾っている。 そして、今回のVメンバー7人が残る青学大には5連覇の希望もキラキラに輝いている。 そのなかで2区で区間賞に輝いた森田、二度ほど立ち止まりながら5区を区間5位でまとめた竹石、6区区間賞の小野田、7区区間新の林。この4区間はライバル校にとって脅威となるだろう。さらに出雲でアンカーを務めた橋詰大慧(3年)など、今回外れたメンバーのなかにもレギュラークラスの実力を持つ選手がいる。 青学大の箱根V5を食い止めるとすれば、史上5校目となる「10年連続3位以内」を達成した東洋大と、登録10名の平均タイム(5000m、1万m、ハーフ)すべてでトップだった東海大の2校しかない。 3年生以下のオーダーで往路を制した東洋大は、10区小笹椋(3年)も区間賞。今回は10区間中5区間で青学大を上回った。ただし、「選手層の違いが、復路に出ましたね」と酒井俊幸監督。7区と8区では2分30秒以上の大差をつけられている。そして来年、優勝を奪い取るには、「青学大は復路が強いので、往路で最低でも2分以上の大量貯金をつくるか、7区に(主力を)ぶつけるしかないと思います」と酒井監督は次回の戦いをシミュレーションした。