【NBA】ジャ・モラントとレブロン・ジェームズの間に遺恨勃発「相手がNBAの頂点に立つ男でも、立ち上がってぶちのめすんだ」
「連中は僕らのホームでやりたい放題だった」
現地11月6日、グリズリーズはレイカーズに131-114で勝利した。日本のファンにとっては河村勇輝が記念すべきNBA初得点を挙げた試合として記憶されるが、他の人たちにとってはグリズリーズとレイカーズ、ジャ・モラントとレブロン・ジェームズによる因縁の試合と記憶されていくだろう。 試合はグリズリーズが終始リードし、第3クォーター途中からリードを広げてそのまま押し切る展開となったが、第2クォーター終盤に『事件』は起きた。残り1分半、ドライブでペイントエリアに侵入するモラントと、ディフェンス自慢のゲイブ・ビンセントによるガード同士のゴール下勝負で、モラントが強引に放ったシュートを沈める。この時、モラントはビンセントに対して手の平をコートに近付ける『Too Small』のゼスチャーをした。 これにレブロンがやり返す。スクリーンを使ってスイッチを強いることで自分とモラントのマッチアップに持ち込み、ポストアップで押し込んで得点。押されて倒れたモラントのすぐ横で『Too Small』をやって見せた。 再びモラントの番。するするとレイカーズ守備陣の間を抜けて得点を奪うと、反撃に転じようとするレブロンの背中に体当たり。テクニカルファウルを取られたが、これは「屈しない」という意思表示だ。残り25秒でのグリズリーズの攻め、ボールを持って上がるモラントに対し、レブロンはチームメートに「自分が守る」と宣言。モラントも味方のスクリーンを無視して1対1で勝負した。このプルアップはリングに嫌われて、前半が終了している。 第4クォーターの終盤にはさらなる熱い戦いが待ち構えているはずだったが、モラントは足を痛めて終盤はプレーせず。そして20点ビハインドとなった残り4分半でレイカーズはレブロンを下げ、終盤のマッチアップは実現しなかった。しかし、モラントは試合後にも対決姿勢を崩さず、メディアに対し「レイカーズが好きじゃない」と語り始めた。 この試合ではモラントが先に『Too Small』を仕掛けたが、彼に言わせればレイカーズとレブロンが以前の試合で仕掛けたのが発端だ。両チームの最初の衝突は2022年1月、レブロンとデズモンド・ベインによるものだった。そして2022-23シーズンのプレーオフファーストラウンドで両者は激突し、レイカーズが勝利している。昨シーズンにも屈辱のシーンがあった。レブロンはダンクを決めた後、グリズリーズのベンチに座る選手たちをにらみつけた。その視線の先には、欠場していたモラントとベインがいた。 「連中は僕らのホームでやりたい放題だった。プレーし、笑い、僕を見て何かを言った」とモラントは語る。「でも僕はこう言いたい。それは僕が私服でベンチに座っていたからできたことだ」 「僕らは誰にも屈しない。相手が誰であろうとね。僕の仕事はコートに戻って来ることだった。自分らしいプレーを取り戻し、調子を整えた。チームメートにも『相手がNBAの頂点に立つ男でも、立ち上がってぶちのめすんだ』と伝えた。結果は見ての通りだ」 ベインは試合に欠場していたため、取材対応をしなかったが、モラントと気持ちは同じだ。ベンチから出て14得点6リバウンド4アシストと活躍し、自分に正式契約を与えなかったレイカーズにリベンジを果たしたスコッティ・ピッペンJr.がコートインタビューに応じていると、その背後を通りがかったベインはピッペンJr.の肩を抱いて、カメラに向かってこう言った。「こいつがあの年寄りからボールを奪うところを見たか!?」 どちらが先に仕掛けたかはもはや問題ではない。モラントもベインもレブロンに敵対する姿勢を示し、『NBAの生ける伝説』を打ち倒そうとしている。このライバル関係は、西カンファレンスの戦いを盛り上げる新たなエッセンスとなりそうだ。