「ヤブヘビで公選法違反も…」斎藤元彦知事、PR会社女社長の”自己顕示欲”であらわになった「SNSと選挙」を巡る課題
立花孝志の参戦も大きな焦点に
NHK党首の立花孝志も兵庫県知事選に立候補したが、その目的は「自分が当選するため」ではなく、「斎藤元知事を応援するため」だという。選挙に出るのは自分が当選するためであるが、立花のように「他候補を応援するため」というのは前代未聞である。 しかし、それが公選法で禁止されているわけではない。禁止せよという意見もあるが、表では自分への投票を叫びながら、裏では他候補を応援することは可能である。したがって、そのような禁止規定は意味がない。 さらには、候補者同士で談合する場合もありうる。選挙は自由であることが基本である。決めるのは有権者である。有権者が審判を下すということのみである。 また、先の都知事選挙でNHK党が犬や猫など候補者の顔以外のポスターを貼りまくったが、公選法で候補者の顔以外は駄目だと規定しても、自分の顔をふざけてデフォルメして出すような候補者も出てこよう。60歳なのに30歳の若いときの写真をポスターにする者もいる。たとえば、これはどういう基準で取り締まるのか。 このようなこともまた、立花の言動が提起する問題である。国会できちんと議論し、必要な改正を行うべきである。
舛添 要一(国際政治学者)