巨人・落合博満40歳が反論「そんなことしてません!ピッチャーに失礼じゃないですか」落合が嫌った“ある行動”「忘れられないホームラン」で思わず…
“神風”が「10・8」を生んだ
その思いは、指揮官の長嶋茂雄も同じだった。今の自軍では中日の勢いを止める術がない。だが、29日のゲームが雨で流れてくれたら、東京に戻り気分転換を図れて、また10月から仕切り直しできると考えたのだ。 「チーム状態がどん底で敗色濃厚の翌二十九日、ナゴヤでの天王山の一戦は台風で中止になった。それは一番の大きな天の恵みだった。私は東の空に向かって『よく雨を降らしてくれました』とかしわ手をうった。やっていたら高い確率で落としていただろう」(野球は人生そのものだ/長嶋茂雄/日本経済新聞出版社) なんとか中止を願い、それが現実となる。長嶋巨人には、まだツキがあった。のちにミスターは“神風”と振り返ったが、雨により九死に一生を得たのだ。そして、中止になった試合は追加日程として、両チームにとってのシーズン最終戦にあたる「10月8日」に組まれたのである――。
日テレアナが絶叫「落合!落合やった!」
ともに残り5試合。恵みの雨により、息を吹き返した巨人は10月1日から逆襲の3連勝を飾る。東京ドームでのシーズン最終戦となる2日のヤクルト戦では、4対4の同点で迎えた8回一死一塁の場面で打席に落合が入る。 この夜、日本テレビ中継の解説席にいた山本浩二は、マウンド上の山田勉の速球に押され気味の背番号60を評して、「今の狙っているんですけどね、ちょっとやはり体のキレっていうのがいつもとは違うわけですよね」と状態の悪さを指摘し、江川卓は「雰囲気はありますよ。ただ、やはり形がかなり崩れてますから。これでホームランないしヒットが出る確率はかなり薄いですよね」と厳しい言葉を並べた。 だが、打席内の落合は冷静にストレートだけに的を絞り、狙い通りカウント1―3から、139キロの外角高めのストレートをとらえ、レフトスタンドへ起死回生の勝ち越し14号2ランを叩き込んだ。実況の吉田填一郎アナが「落合! 落合やった! 貴重なホームラン。気合いのホームランといったらいいでしょうか。意地の一発といったらいいでしょうか!」と絶叫する中、珍しく一塁ベース付近で右拳を握りしめ、ガッツポーズをしてみせるオレ流。自身に対する無数の批判に対して、またもや言葉ではなく、バット一閃、ひと振りで黙らせてみせた。
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