選手村でのお互いの第一印象は「かわいくて美人」「目がすごい」 太田りゆと田中佑美が明かすパリ五輪閉会式のカオスの舞台裏
――陸上でも隣の選手の息遣いや踏ん張る声みたいなものが聞こえることはあるんですか。 田中 ありますね。2年くらい前なんですが、日本トップクラスの選手と走っている時にすごく競り合っていて、その選手がハードルを越えるたびに叫んでいたんです。途中から私も感化されて最後の3台くらい一緒に叫んでいました(笑)。ハードルは同じ感じで一緒に動いているんで、二人三脚みたいなものなんですよ(笑)。あれが最初で最後でした。 ――太田選手はケイリンの後、スプリントにも出場しました。そこでも敗者復活戦に回りましたが、残念ながら勝ち上がれませんでした。その後は涙を流されていましたが、どういった思いだったのでしょうか。 太田 スプリントの結果が悔しくて泣いていたというよりは、私はパリ五輪で競技の引退を決めていたので、それについて感極まる部分がありました。メダルが獲れなかったことは悔いではありましたが、自分の実力を出しきった結果だったので今はすっきりしています。 ――太田選手はナショナルチームでの8年間を通して、どんなことを学びましたか。 太田 普通の大学生だったところから、自転車を始めて半年で日本代表になったので、プロアスリートとしてどうあるべきかということをたくさん学びました。「支えてくれる人がいて競技ができる」とよくアスリートは言いますが、ナショナルチームのコーチ、リザーブだった頃からずっとサポートし続けてくれたブリヂストンの方々をはじめ、多くの方々に対して、本当の意味でそれを感じることができました。あとは当たり前のことを真面目にコツコツやり続けることの大切さを学びました。
【「すごい目の人がいる!」】 ――ちなみにパリ五輪の選手村で、おふたりは顔を合わせていたんですか。 太田 かわいくて美人だなと思ってみていました。自転車競技の男性陣も、「りゆさん、田中さん見ました? やべぇっすよ」「きれーだわ」と(笑) 田中 いやいや、すっぴんで歩いてるだけで。 太田 スタイルも抜群だし。自転車競技の男性陣は喜んでました。 田中 私も太田さんは認識していて、本当にすれ違うたびに思っていたんですよ。 ――どんな印象を持ったんですか。 田中 目!(笑) 太田さんの目がすごいと。選手村にはいっぱい人がいるので、私はなかなか覚えていられないんですけど、太田さんを初めて見た時から、すごい目の人がいると思って。 太田 選手村で? 田中 そう。選手村で太田さんの目を見て、SNSで調べて、「あ、自転車の人なんだ」と(笑)。 ――お互い競技が大会終盤ということで閉会式には出られていましたが、あの雰囲気はどうでしたか。 田中 みんなで「オー・シャンゼリゼ」を歌っている時がピークでしたね(笑)。 太田 トム・クルーズが来るという噂はあったし、ビヨンセが来るという噂もあったんですよ。私たちの周りはビヨンセ待ちだったんですけど、出てこなくて残念でした。 田中 みんながステージに走った時にびっくりしなかった? 太田 バンドに向かって選手たちがみんなダッシュして、ステージに這い上がった瞬間ですよね。私は全然ついていけなくて。ついていけた? 田中 私は先陣切って行ったのはいいんですけど、ステージに上がる勇気はなくて、後ろの人に倒されて死ぬかと思った(笑)。 太田 私は遠くで見ていました。足が速い集団にはかなわないので。 田中 最初はステージに登っていいのかわからなくて、ボランティアの人に聞いたら「いいよ、行けー」と(笑)。 太田 あれ、普通の人にはなかなか登れない高さにあるんですけど(笑)。