児相一時保護の子ども、虐待疑いでも親の同意なしで面会制限可能へ
こども家庭庁は26日のこども家庭審議会の部会で、児童相談所に一時保護された子どもについて、虐待された疑いの段階でも親の同意なしに面会制限できるよう児童虐待防止法を改正する方針を決めた。これまでは虐待と認定しなければ制限できなかった。判断基準を定め、子どもに意見を聞く仕組みも設ける。来年の通常国会に法案を提出する。 【図解】子どもの話をまとめてはダメ 虐待を見逃さないために 児相が子どもを一時保護した際に保護者の面会や電話などの制限は虐待が認定された場合のみ可能だ。虐待の疑い段階で制限が必要な場合、児相は保護者の同意が前提の行政指導などで対応しているが、判断を不服として保護者が児相側を相手取って訴訟に発展するケースもあった。 このため、疑いの段階でも児相所長が「児童の心身に有害な影響を及ぼすおそれが大きい」と認めたら、同意なしで面会制限を可能とする規定を設ける。 虐待を受けた子どもを一時保護する際、法律で規定されていない民間シェルターなどに保護を委託するケースを想定し、委託先の事前登録制も創設する。児童養護施設や里親などは登録不要とする。 虐待を把握する態勢も強化する。保育所などで保育士らによる虐待を発見した場合、保育施設などに自治体への通報を義務付ける。義務化の対象に放課後児童クラブや児童館など、保育や子どもの居場所に関する幅広い事業者を含める方針で、来年度中の施行を目指す。【塩田彩】