冬が旬のりんご、冷蔵庫で3ヵ月保存が可能? 野菜ソムリエプロが解説「同時保存でじゃがいもの芽が出にくくなる」
種類も豊富なりんごは、技術革新により、いまでは1年中売られていますが、本来収穫できるのは秋~冬で、この時期に旬を迎えます。栄養価が高く、加工もしやすいので、デザートとしてだけでなく、離乳食から病院食まで、幅広く利用されています。りんごは長期保存が可能ですが、他の野菜やフルーツを追熟させる作用があると言われています。保存方法や追熟の理由など、野菜ソムリエプロで管理栄養士の小島香住さんに聞きました。 【画像で解説】ヘタの状態でもわかる…美味しいりんごを見分ける3つのポイントを管理栄養士が紹介 ◆冬が旬のりんごは“眠らせる”ことで長期保存を…家庭でも3ヵ月保存が可能 ――りんごは1年中売られていますが、本来収穫できるのは秋~冬の間だけです。りんごは長期保存が可能とのことですが、小島さんのInstagramでは「長期貯蔵=りんごを眠らせる」ことについて言及されていました。これはどういったことなのでしょうか? 【小島香住さん】 りんごは、収穫後も呼吸をしています。その呼吸によって(酸素を使い)エネルギーを消費します。酸素などの空気中の成分、温度や湿度などを調整し、りんごの呼吸を抑えることで、長期間の貯蔵を可能にしています。 ――家庭での「りんご」の長期保存方法について教えてください。 【小島香住さん】 上記の長期貯蔵は専用の施設で行いますが、家庭ではコントロールが難しいため、なるべくりんごに負担にならないように保存する工夫が必要です。りんごをキッチンペーパーで包んで袋に入れ、冷蔵庫のチルドルームで保存します。キッチンペーパーはクッション性と保湿効果があり、袋に入れることで空気に触れないようにし、温度の低いチルドルームで低温を保ちます。3週間から3ヵ月保存が可能ですが、品種によって差があるので、目安としてください。 ――小島さんのInstagramでは、「新じゃがの上手な保存方法」を紹介しています。じゃがいもを入れたダンボールにりんごを一緒に入れると長期保存が可能とのことですが、その理由と保存方法を教えてください。 【小島香住さん】 りんごが産生するエチレンガスには、じゃがいもの発芽を抑える作用があります。段ボールなどに、じゃがいもと一緒にりんごを入れ、光が入らないように新聞紙などで覆って保存すると、芽を出さずに保存することができます。風通しの良い場所に保管し、りんごは定期的に交換するようにしてください。