学ばない日本の大人…でも結局「何を勉強」すべき? グーグルら求める「5スキル」など
リスキリングの重要性が叫ばれる中、過去の本連載では日本人は大人になると勉強をしなくなる傾向にあると指摘した。ただ実際にリスキリングをすることになっても、「何を勉強したら良いのか」を正しく知ることが最も難しい。具体的にどのような知識・技能を学んだら良いのか。グーグルら米国企業が求めるスキルなどと併せて紹介する。 【詳細な図や写真】【関連記事】日本人はなぜ勉強しなくなるのか?(ここをクリックすると関連記事ページに遷移します)
何を勉強すれば良い? を知るために必要な「2つのこと」
リスキリングの重要性がさまざまなところで強調される。技術と経済社会の条件が急激に変化しているので、これまで身に付けてきたスキルだけでは十分に対応することができない。そのため、新しい条件に適応した新しいスキルを学ぶ必要があると言われる。確かにその通りだ。 では、一体何を勉強したら良いのか? なぜそれを学ぶ必要があるのか? それを学べば、どのような分野でどのように活用できるのか? それは自分に合った分野なのか? これらを正しく把握するのは、大変難しいことである。リスキリングの過程の中で、恐らく最も難しいところだ。しかも、大変重要なことだ。進む方向を間違えては、どんなに勉強しても、無駄になってしまう。 これらを把握するためには、第1に、将来の経済がいかなるスキルを要求するかについて知る必要がある。そのためには、社会がどのように変わっていくかを把握する必要がある。いまは需要が強いスキルであっても、将来はAIなどによって自動化されてしまう場合も多い。 第2に、自分の適性を知る必要がある。需要の多い分野は多くの人が勉強している。したがって、自分が比較的優位に立てるとは限らない。一般的な需要が多いものに対応しようとすることが必ずしも最適な戦略とは言えない。
「自分の専門」を知らない人が多い
1ページ目を1分でまとめた動画 日本では、学生時代の専門が明確ではない。たとえば、法学部や経済学部などがカバーしている分野は、あまりに広すぎて専門とは言えない。したがって、学生時代に自分の適性を判断していない人が多いのだ。 就職する時も、どのような仕事をするかより、待遇がどうであるとか、業界内の地位などによって会社を選択する人も少なくない。自分の専門分野は何かということを、リスキリングによって初めて意識する人も多いだろう。 また転職や退職後の仕事のために、資格取得を考えている人が多いだろう。そのためにリスキリングをする。この場合には、勉強すべき内容は明らかだ。過去の問題を見れば、それがはっきり示されている。それにすべて答えられるようにすれば良い。 しかしリスキリングの必要性は、資格試験の合格に限ったものではない。では、具体的にどのようなスキルが必要なのか?