5人が語る 主体的な学びで教科を超えた知を育む【STEAM教育のきざし】
先生も知的好奇心を持って楽しもう
大草さん:SSHや民間企業の取り組みもありますが、義務教育の現場でのSTEAM教育はどうでしょう。
世田谷区立千歳中学校主任教諭 青木久美子さん:授業をしていて、私も勉強になることが多くあります。例えば実体がないプログラミングでロボットが動いているっていうところが子どもたちにとってはものすごい驚き。そういうものだということにこちらも驚かされました。STEAM教育をはじめ新しい取り組みを取り入れた授業を作り出すのは大変ですけれども、教師も楽しみながら、「あ、そうだったのか」と思いながら、やっていくのが重要なのではないかと考えています。
清原さん:「あ、先生楽しそうだな」というのがあるからこそ、子どもたちもやってみようという気になるものです。学校の先生の心の余裕が重要なんじゃないかなと。STEAM教育は全部自分でやろうとすると重荷になります。生徒と一緒に楽しんでみようかといった感じで始められる環境ができると非常に発展する気がします。今、意欲的な先生方が頑張られていますが、それが大変だなんていうふうに周りの先生が思ってしまうと、途中で止まってしまう。そこを繋ぐ人、そういう役割のシステムができるといいなと非常に感じました。
大草さん:先生自身が知的好奇心をもって楽しんでいることが、子どもに伝わる何より大切なメッセージだと思います。そういう環境をいかに作るかが社会の役割だと思います。
伴走者として子どもとともに深める学び
大草さん:これから、どのようにSTEAM教育を充実させて広めるのが良いでしょうか。
原田さん:STEAM教育においては、テストと違って答えがたくさんあるところや、できなかったことも学びに繋がるところも、すごく重要ではないかと思っています。私が指導者の立場になるときでも、「一緒に学ぼうよ」っていう態度だったり、学びに寄り添うファシリテーターの役割だったりがすごく強い。そういう子どもに寄り添える人材が増えていくといいなと思います。