「要介護認定の基準」をご存知ですか? どんな人が受けられるか介護福祉士が解説
要介護認定を受けたら活用したいサービスは?
編集部: 要介護認定後に使えるサービスは何ですか? 西山さん: 生活の場所が在宅か施設かによって利用する介護サービスが異なります。介護サービスは、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」の3つに大別されます。 居宅サービスは在宅の方が利用するサービス、施設サービスは施設に入所している人に対してのサービスです。地域密着型サービスは、地域の実情に合わせて提供される小規模な居宅サービスや認知症対応の介護サービスです。 編集部: 在宅サービスにはどのようなものがありますか? 西山さん: 在宅サービスは主に、訪問・通所・短期入所にわかれます。訪問サービスは、へルパーや看護師などが自宅に訪れ、身体介護や入浴介助、リハビリをおこないます。通所サービスは、施設に通って食事やリハビリなどを受けます。 短期入所は、介護施設に泊まるサービスです。その他、住宅をバリアフリー化するときの改修費支給や福祉用具貸与などのサービスがあります。 編集部: 施設サービスにはどのようなものがありますか? 西山さん: 施設サービスは、老人ホームへの入所だと考えてください。多くの人がイメージする老人ホームは、長期にわたり入所できる「介護老人福祉施設」です。ほかにも、リハビリを目的として3~6か月入所する「介護老人保健施設」や、介護と医療を提供する「介護療養型医療施設」などがあります。 また、有料老人ホームやシニア向け住宅でも「特定施設入居者生活介護」の指定を受ければ、施設内で介護保険のサービスを受けられます。 編集部: サービスを使うときに負担する費用はいくらですか? 西山さん: サービスを利用すると、所得によって1~3割の費用負担があります。また、介護度ごとに1か月あたりの支給限度額が決まっており、限度額を超えると自己負担です。 編集部: 最後に、読者へのメッセージをお願いします。 西山さん: 介護保険証の期限と介護認定の期限を混同している方がいらっしゃいます。介護保険証は無期限である一方、介護認定には期限があることに注意してください。介護認定の期限が切れるとサービス利用が全額自己負担になるため、期限前に更新するようにしましょう。 なお、病気やケガによって心身に大きな変化があったときは、認定期間内でも介護度を変更する手続きをとれます。