岡崎慎司が到達できなかった“一番いい選手”。それでも苦難乗り越え辿り着いた本質「今の選手たちってそこがない」
数々の苦難を乗り越えてきた岡崎が語る大切な本質
精一杯努力を怠らず、常に上を目指し、自分はできるという自己肯定感を持つ。 そのうえで自らのミスや失敗を認めて、課題と真摯に向き合って、辛抱強く必死にやるべきことに取り組んでいく。そうした経験の連続が強靭な軸となっていくのだろう。 岡崎も改めてそこを強調していた。 「日本から海外までプレーしに来る選手はみんなそうしたギラギラ感を持ってる。持ってるからこそここまでたどり着けている。だけど、ここからさらに先に進むためには、それをどれだけ強く持ち続けられるかどうか。いろんな境遇に出くわすたびにそう感じています。日本ではなんなく乗り越えられたけど、海外ではうまくいかないこともある。だからこそどんな状況になっても、『なにくそ根性』みたいなものは絶対に必要な気がします」 数々の苦難を乗り越えてきた岡崎の話には、生きるうえでの大切な本質が込められているのではないだろうか。 <了>
[PROFILE] 岡崎慎司(おかざき・しんじ) 1986年4月16日生まれ、兵庫県出身。元サッカー日本代表。滝川第二高校を経て2005年にJリーグ・清水エスパルスに加入。2011年にドイツ・ブンデスリーガのシュツットガルトへ移籍。2013年から同じくブンデスリーガのマインツでプレーし、2年連続2桁得点を挙げる。2015年にイングランド・プレミアリーグ、レスターに加入。加入初年度の2015-16シーズン、クラブ創設132年で初のプレミアリーグ優勝に貢献。2019年に活躍の地をスペインに移し、ラリーガ2部のウエスカに移籍。リーグ戦12得点を挙げてチーム得点王として優勝(1部昇格)に貢献。2021年より同じくラリーガ2部のカルタヘナでプレーし、2022年にベルギーリーグのシント=トロイデンVVへ移籍。日本代表では、歴代3位の通算50得点を記録し、3度のワールドカップ出場を経験。2016年にはアジア国際最優秀選手賞を受賞している。2024年5月に現役を引退。
インタビュー・構成=中野吉之伴