東京五輪7人制ラグビー挑戦の福岡堅樹がTLラスト試合で”有終の美トライ”「15人制の日本代表に戻ることはない」
2003年9月にスタートしたトップリーグで歴代最多となる、3万7050人もの大観衆でスタンドは膨れ上がっていた。姫野がキャプテンとして率いるトヨタ自動車のホーム開幕戦。対峙するパナソニックが擁する“笑わない男”稲垣啓太や堀江、そして福岡らの6人の日本代表戦士。ファンの関心を引きつけた要因に試合前日の17日になってもうひとつ、大きなものが加わった。 日本ラグビー協会から発表された、東京五輪へ向けた男子セブンズ日本代表のトレーニングスコッドの追加メンバー6人のなかに初めて福岡が名前を連ねた。かねてから7人制ラグビーが実施される東京五輪への挑戦を表明していた福岡は、24日から埼玉・熊谷市内でスタートするセブンズ・デベロップメント・スコッド合宿へ参加。活動の舞台をいよいよ7人制へシフトしていく。 つまり、ワールドカップ日本大会で4トライをあげ、日本代表を悲願のベスト8へ導く原動力の一人になった福岡の勇姿を今シーズンのトップリーグで見られるのは、第2節が最後になる可能性が高まったことになる。15人制との違いをあげながら、7人制に専念する理由を福岡が説明する。 「15人制ではウイングの選手であっても、フィジカルの部分も大事になってくる。ブレイクダウンの仕事も多いし、ジャッカルのスキルも必要になるし、空中戦へ挑むことも多い。そこで当たり負けしない身体が必要になってきますが、これが7人制になると走る方に特化してくる。15人制よりも広いスペースを与えられたなかで、何度も何度もトップスピードを出せる身体じゃなきゃいけないので」 ルールおよびピッチの大きさが同じで、人数が少ない7人制ラグビーでは持久力とランニングスキルがより求められる。4年前のリオ五輪も経験し、4位に食い込んだ経験があるからこそ、肉体改造を施さなければ東京五輪の舞台に立つどころか、代表にも選ばれないと福岡は覚悟を決めた。