アニメ好きがプレゼン!大人の女性にお薦めしたい「アニメ映画」25選【前編】
時空を行き来するアニメらしいテーマ
――妹尾さんが好きなのはどんなジャンルですか? 妹尾:私は考えてみると、「時空が移動」とか、「隔絶された世界」みたいなものが好き。1984年に公開された『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』という映画は推したい! 鳩岡:押井守監督の。 渡辺:終わらない学園祭前日ですよね。 妹尾:そうそう。主人公の暮らす場所だけが世界と隔絶されていて、学園祭の前日を繰り返し続けるという荒唐無稽な設定なんです。世間から隔絶されて、年月を経ない、ある場所に閉じ込められているという設定の最初かなと。 渡辺:『アリスとテレスのまぼろし工場』もそうじゃないですか?私すっごくおすすめの作品です! 妹尾:昨日、映画館で観ました! 渡辺:1991年のとある田舎町で、製鉄工場の事故を機に隔絶されてしまう若者のお話です。90年代初頭というとインターネットがまだなく、だからこその地方都市の閉塞感。そこでは「変化」を禁じられていて……。隔絶された「こちら側」の日常に亀裂が入ったときに、現実の街が垣間見えるのですがそれがエモい。 『アリスとテレスのまぼろし工場』 『さよならの朝に約束の花をかざろう』の監督を務めた岡田麿里の最新作。製鉄所の爆発事故により外部への出口が閉ざされ、時まで止まってしまった、変化を禁じられた世界で、“恋する衝動”を武器に未来へともがく少年少女の物語。 監督:岡田麿里 配給:ワーナー・ブラザース映画 MAPPA ©新見伏製鐵保存会 ――「時空を超える」みたいな設定は、アニメでは多いのでしょうか? 妹尾:多いと思います。それでいうと、『千年女優』というアニメをぜひ観ていただきたい!ある女優が過去を振り返る話なのですが、演じた役を通して、平安時代や未来の宇宙旅行などと時空を行き来する。実際にタイムリープはしないけれど、しているかのような……。 ――ロマンチックですね。そういうお話が好きということはロマンチストなんでしょうか? 渡辺:妹尾さん、ロマンチストのロマンの軸が多分恋愛じゃなくって「時のロマン」なのではないかしら? 妹尾:そうかもしれない。 『千年女優』 『パーフェクトブルー』に続く、今敏監督の二作目のアニメ映画。人里離れた土地で暮らすかつての大女優・藤原千代子のもとに取材依頼が届いた。30年ぶりにメディアに応じた千代子が語った、蓋をしていた想い出と秘密とは。 監督:今敏 配給:クロックワークス ©2001 千年女優製作委員会
『クウネル』1月号掲載 写真/柳原久子、取材・文/鈴木麻子、笹本千尋
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