ウィニングパット&ショットで振り返る 松山英樹のPGAツアー11勝
<4勝目>2017年2月「WMフェニックスオープン」
再びプレーオフを制して自身初の大会連覇を達成した。4打差3位から「66」で回り、17アンダーで並んだウェブ・シンプソンとのぶつかり合い。勝負がついたのはやはり4ホール目の17番で、4mのバーディパットをカップに沈めてこぶしを振り下ろした。「プレーオフで苦しかったが、勝つことができてうれしい。チャンスが来ると思って待っていた」。丸山茂樹の記録を更新する、日本勢最多のツアー4勝目を24歳でマークした。
<5勝目>2017年8月「WGC ブリヂストン招待」
世界選手権シリーズ(WGC)での2勝目は驚異的な勝利。2打差の4位から出た最終日に1イーグル、7バーディ、2013年大会で一緒にプレーした際のタイガー・ウッズと同じ「61」をマークした。16番(パー5)で「最後に3つバーディを獲れば並ぶ」と思い描いたスコアを現実にして、通算16アンダー。2位に5打差をつけた。スタート前から調子が悪く、インタビューには「完ぺきは18番のティショットだけ」と答えた。
<6勝目>2021年4月「マスターズ」
スランプを乗り越え、メジャー初優勝を憧れのオーガスタナショナルGCで飾った。ローアマチュアを獲得した2011年からちょうど10年、10回目の出場。2位に4打差をつけて迎えた最終日は4バーディ、5ボギーの「73」と苦しみながら逃げ切った。最終ホールはバンカーからの3打目をグリーンに乗せ、パーパットを外してからタップイン。喜びの涙を懸命にこらえながらスコア提出所に向かった。
<7勝目>2021年10月「ZOZOチャンピオンシップ」
日本で唯一のPGAツアーでは初開催の2019年にタイガー・ウッズに次ぐ2位。マスターズチャンピオンとして臨んだ第3回大会で優勝した。大きな拍手を背にスコアを伸ばし、最終18番は残り244ydから5Wでのカットボールでピン奥へ2オン。4mのパットを沈めてイーグルを奪い、母国のファンの前で両手を高く突き上げた。コロナ禍での開催に感謝し「日本人の僕が勝つことはすごく意味があることだと思う」と胸を張った。
<8勝目>2022年1月「ソニーオープンinハワイ」
最終日最終組に入ったラッセル・ヘンリーとのマッチレース。ハーフターン時につけられた5打差をバックナインで縮め、最終18番のバーディで「63」として追いついた。プレーオフで見せた3Wでの2打目が圧巻。夕日に向かって放ったフェードボールは手前に2オン、ピンそば1mまで転がりイーグルで決着した。1983年に青木功が日本人として初優勝を飾った場所で、アジア出身選手として最多の通算8勝に並んだ。