スペースデータ、KDDIの宇宙共創プログラムに採択–デジタルでISSでの物理現象を高精度に再現
スペースデータ(東京都渋谷区)は12月24日、KDDIの宇宙共創プログラム「MUGENLABO UNIVERSE」で第1弾支援プロジェクトとして採択されたことを発表した。 支援プロジェクトでは、自然現象を高精度に再現するという物理シミュレーション技術のギャラクシーズ(東京都豊島区)と連携して、スペースデータが開発する「バーチャル国際宇宙ステーション(ISS)」などで宇宙での物理現象を高精度に再現したシミュレーション環境を共同で開発する。全世界に提供することで宇宙事業への参入ハードルを下げ、さまざまな産業からの宇宙事業参入促進を目指すという。 スペースデータは、デジタル技術を活用して、宇宙をインターネットのように身近にして、誰もが宇宙開発に参加できる未来を目指していると説明。その一環として国際宇宙ステーション(ISS)の船内外の環境をデジタル上に再現したバーチャルISSなどを開発している(バーチャルISSはPCゲームプラットフォーム「Steam」で「ISS Simulator」として無料で配信されている)。 バーチャルISSに、宇宙での物理現象を高精度に再現するシミュレーション技術を追加実装することで、これまでのゲームやエンターテインメントとしての利用にとどまらず、宇宙機の開発や宇宙実験などへの活用の幅が広がると説明している。 プロジェクトでは、MUGENLABO UNIVERSEに加盟するギャラクシーズと連携して開発する。ギャラクシーズの物理シミュレーション技術との統合で、宇宙環境での高精度なシミュレーション環境を実現して、全世界への提供を目指すとしている。 MUGENLABO UNIVERSEは、KDDIが主催する、宇宙事業に取り組むスタートアップや異業種のスタートアップ、大企業、有識者による宇宙事業の共創や宇宙技術を活用した地上の課題解決を目指すプログラム。 同プログラムは、宇宙空間を再現したデジタル空間や地球低軌道上などの多様な実証環境、宇宙領域の有識者によるメンタリングやネットワーキング機械をスタートアップと大企業に提供することで、企業が宇宙を活用した事業創出に挑戦しやすい環境を整備している。 MUGENLABO UNIVERSEは、東京都の「グローバルイノベーションに挑戦するクラスター創成事業(TIB CATAPULT)」に採択。東京都からのネットワーク面や資金面での支援を受けながら、スタートアップの新規商材開発や事業成長を推進していくという。 TIB CATAPULTは、東京都のイノベーションプラットフォーム「Tokyo Innovation Base(TIB)」をベースに、東京都の強みとなるインダストリーやテクノロジーの領域でイノベーションを巻き起こすために組成されたという複数企業で構成される「クラスター」と東京都が協定を締結して、クラスター領域でのスタートアップとの連携や協働を推進、イノベーション創出を目指す事業。 採択されたクラスターはそれぞれ、グローバルに成長するスタートアップ創出に向け3年で20件以上の大企業などとスタートアップによる協働実績の創出を目指しているという。
UchuBizスタッフ